今年のアメリカ大統領選挙はトランプとバイデンで闘うことになったようだ。よその国の選挙なのでとやかく言うべきではないが、こと「トランプ」となると、いささか気になることがある。ここにきてトランプの期待や信任が下落していると分析されているが、近年の彼の発言などを通して再び立候補する意図は何か、素人なりに考えてみた。 

 

 4年前の選挙を思い出してみる。自分が再選されなかったのは、不正選挙で得票数が奪われたからだ。新大統領は認めない。ホワイトハウスに集まろうと扇動し、多くの襲撃犯がWHに押し掛けた襲撃事件、騒乱者の多くが収監された。 

 在任中、不法入国者を全員国外追放すると高い壁を作った。 

 中国とは厳しい敵対国視し、北朝鮮には自ら乗り込んで握手した。しかしこれは失敗に終わった。同盟国との関係も特別視することなく、NATOにも他の国にも応分の資金を要求した。 

 世界が地球温暖化対策に取り組むさ中、反対の異を唱え、化石燃料の増産を狙い、EV車の製造からガソリン車の製造に切り替えると息巻く。 

 

 要するにこうした政策は駆け引きではなく、取引なのだ。自分が得をするか否かにかけていて相手の立場に耳を傾ける姿勢がない。 

 敗北の背景には、大統領の地位をまるで恣意的に捉え、数々の指摘や告訴に関して「魔女狩り」だと批判し、誹謗・中傷や陰謀などあらゆるいかがわしい手段によって自分を擁護してきたことにある。もはやトランプの人格欠損の問題だと指摘する声すら上がっていた。 

 

 彼は今敗訴したことによる賠償金の支払いに苦慮しているようで、選挙資金をそれに転用しているともいわれる。しかもトランプ疲れもあり、どうやら一時の人気は下落していて、勝てないのではないかと予想も出ている。 

 

 彼には「敗北」という言葉は辞書にはないのだ。負け戦も不正だと息巻き、今度の選挙でも同じ行動をとるかもしれない。さらにバイデンへの復讐や怨念も絡んでいて、それを晴らそうとしているやに思える。 

 アメリカはいったいどこに向かっているのだろうか。政策は大転換するのだろうか。

 

 彼の野心は、ウクライナ戦争もイスラエルのガザ襲撃も24時間以内に解決することで、いかにも秘策があるかのように振る舞う。ここにはアメリカ第一よりも自らを権威付け、あわよくばノーベル平和賞を狙っているとの噂もある。 

 

 彼は大統領になれば、大統領という特権を生かし、自らも含めてWH収監者を恩赦すると発言している。 

 このような傍若無人な行為を受け入れる有権者には大きな疑念を抱くが、結果的に自国を分断と内戦に向かわせるのではないかとの危惧を抱く。私にはどうもなじめない人物だが、アメリカ人はそうではないのかもしれない。 

 果たして日本の為政者たちは彼に互角に向き合うことが出来るだろか。低落した政治への不信、非力な議員の多い政権与党は安穏としていられないはずだが、何を考えているのだろうか。

2024年3月25日記