これから団としてどのように再開し・活動していけばいいのか悩んでいます。
記事がありましたので文章お借りいたします。
理解するには時間がかかりますが、
これからの音楽活動のありがたい助けになりそうです。
読んでみます。
先日の記事の全訳です。
(長文注意)
先日アップした記事について、ずいぶん反響がありました。私は主に合唱について紹介しましたが、元の資料には、木管金管についてもデータが記載されています。全訳すべきかと悩んでいたら、私の敬愛してやまない須藤伊知郎先生(西南学院大学神学部教授)がなんと完璧に全訳してくださいましたので、許可を得て、ここに掲載いたします。実験記録のYou Tubeリンク先も併記してありますので、興味のあるかた、ぜひご一読下さい。またこの場を借りて、須藤先生に心からお礼申し上げます。
なお、この分野の研究はまだ始まったばかり。きっと新しい研究結果が出てくるかもしれません。目が離せない分野となりそうです。
以下、日本語全訳
ミュンヘン防衛大学の報告
https://www.unibw.de/l…/musizieren_waehrend_der_pandemie.pdf
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パンデミック期間中の音楽演奏─何を科学は助言するか?
合唱および吹奏楽器演奏の際の感染リスクについて
クリスティアン・J・ケーラー、ライナー・ハイン
ミュンヘン防衛大学
流体力学・航空力学研究所
Werner-Heisenberg-Weg 39
85577 Neubiberg
はじめに
歌うことと演奏することは、友人たちの小さなサークルであれ、会堂で教会共同体と共にであれ、祝祭行事あるいは大きなコンサートであれ、いずれも同じく多くの人々に喜びを与えてくれる素晴らしい活動である。新型コロナウイルス〔SARS-CoV-2〕の時代にはしかし、何も心配しないでよい音楽演奏の時も過ぎ去ってしまっている。多くの音楽家たちがフリーランスの芸術家として活動しており、しばしば比較的小さな収入で生活しているので、この職業分野はパンデミックによって特に強い打撃を被っている。経済的な観点と並んで、この職業グループにとってさらなる本質的な問題は、一緒に集まって練習することや大きなオーケストラやアンサンブルの全奏がもはや実施できないということである。芸術家たちの完璧な合奏はしかし、コンサートが成功し、聴衆にとってすばらしい体験となるためには、事前の多くの仕事が要求される。この〔演奏会に向けての〕準備は大きなホールではなく、どちらかというと小さく、換気されていない会場建物の地下室で行われていると想定される。教会堂のオルガン2階席あるいはオペラハウスのオーケストラピットの限られた座席は、空間状況の現実と、パンデミック期間中に安全な演奏興行を可能とするコンセプトを開発する必要性を明確にしている。
現在は、文化的な興行がいつまたどのような条件の下に再開できるのか、まったく未定の状態である。事実は、歌と吹奏楽器演奏の際に適切な呼吸保護マスクをつけることは不可能だということである。飛沫感染防護はしたがって、安全距離を保つことで実施せざるを得ない。しかし、歌手や吹奏者が感染している場合にウイルスをその周辺にどの程度広げるのか、また空間における空気の流れがウイルス移動の際にどのような影響を与えるのか、信頼できる情報が提示されていない限り、安全距離の規則も有意義に定めることができない。フライブルク音楽大学は2020年4月25日のリスク評価において歌手と吹奏者の間に3~5mの距離を*1)、職員傷害保険組合(VBG)は練習実施の際に4月27日からそれどころか歌手ないし過激にしゃべっている者の場合に6m、そして吹奏楽器の場合、吹奏方向においては少なくとも12mの距離を推奨した。ロベルト・コッホ研究所(RKI)は4月28日の記者会見で、歌う際に飛沫が特に広く飛ぶ、という推測を表明した。しかしこれらの距離の表示は適切で、RKIの表明は正しいのだろうか?
*1) 2020年5月8日補足:歌手と吹奏者のための推奨最小距離はその後フライブルク音楽大学によって2mに変更された。以下のURL参照 https://www.mh-freiburg.de/…/covid-19-c…/risikoeinschaetzung
(2020年5月8日閲覧)。
実験
クリスティアン・ケーラー博士(教授)とライナー・ハイン博士(助手)がこれらの問いを解明するために、ザルツブルクのモーツァルテウムのプロ歌手で声楽教師(マリオン・シュピングラー)、二人のアマチュア合唱団員、ミュンヘン・ゲルトナープラッツ州立歌劇場オーケストラの五人のプロ音楽家(ミヒャエル・マイネル(クラリネット)、ウータ・ザスゲン(フルート)、ウルズラ・エンス(オーボエ)、コルネリウス・リンダーレ(ファゴット)、ミヒャエル・ヘアデメルテン(トランペット))そしてアマチュア吹奏楽者(マックス・シェーファー(トランペット、トロンボーン、ユーフォニウム))と、ミュンヘン防衛大学で詳細な実験による調査を実施した。調査の目的は、音楽演奏の際の比較的大きな飛沫の唾を吐くような(弾道的な)拡散も、より小さい飛沫(エーロゾル)の気流に条件づけられた拡散も突き止めることである。この目的のために、口から、そして吹奏楽器から出てくる唾の飛沫と呼気の際に動かされる空気がレーザーで照らされ、特別なデジタルカメラで撮影された。撮影された一連の動画を、飛沫と空気の動きを定量的に規定し、飛沫によって感染が起こりうる範囲を突き止めるために解析することは、コンピュータプログラムによって実行された。
どれくらいの距離で歌うことは危険になるのか?
ケーラー教授とハイン博士の実験は、空気は歌う際に口のすぐそばだけで動くようになるということを明確に示している。以下のURL参照 https://youtu.be/0JmcjRhV-rs。プロ歌手の場合に調査は、音がどれだけ大きいか、そしてどの音程で歌われたかによらず、約0,5mの距離でほとんどもはや何の空気の動きも確認できない、ということを示している。歌う際に生成される気流を通じたウイルスの拡散は、したがってこの限界を超えては極めて蓋然性が低い。歌う際に、プロによってたいてい用いられている横隔膜呼吸ではなく、むしろ自然な胸式呼吸を使っているアマチュア音楽家も、この範囲を超えはしない。
空気の動きがわずかしか拡散しないことは、ケーラー教授によれば不思議ではない。なぜなら歌う際には、たとえばくしゃみをしたり、咳をしたりする際のように、大きな空気の量が突発的に吐き出されたりはしないからである。むしろ歌手の技術は、できるだけ少ない空気を動かして、それにもかかわらず美しく力強い響きを生み出すことにある。調査は、ほとんど12秒間持続された低い音を歌う際に、およそ0.5リットルの空気が吐き出されたのみである、ということを示している。高い音の場合、同じ量の空気はすでに5秒足らずのうちに動かされたが、しかしながら高い音を生み出すために空気がしばしば吸われるので、その結果この場合に飛沫拡散の危険は非常にわずかである。しかしたとえ高い音の場合に息が吐かれたとしても、口の開きは音程が高くなるにつれて傾向として大きくなり、それによって流速は対応して減少するので、流速は比較的に小さくなる。基本的に歌う際の強い空気の動きは、避けるべき望ましくない副次効果と看做すことができる。なぜなら、響きの拡散は気流を必要としないのであるから。気流はただ音を生成させるためにのみ必要である。空気が口の前でほとんど動かされる状態にならないということを信じない人は、燃えているローソクを口の前にかざし、それから歌うか話すかしながら、同時に炎をゆっくり静かに口から話すことをやってみるのが良い。炎が揺らめくのを止めるや否や、空気の動きも消え入るばかりにわずかである距離が突き止められている。同じ実験はもちろん吹奏楽器でも行うことができる。
歌う際の防護措置の推奨
合唱団ではそれにもかかわらず、咳をして、衛生エチケット(曲げた肘に咳をして、その際他の人々から顔を背ける)が守られない場合でも、飛沫感染を効果的に防ぐために、少なくとも1,5mの安全距離を保つべきである。単純な咳払いの際に飛沫は1メートルを超えて運ばれ、長く持続する刺激性咳嗽の場合にはそれどころか2メールを超える可能性がある。このことは研究者たちがすでに別の研究で実証している。(以下のURLを参照
https://youtu.be/SM2QrPFC3MY
https://www.unibw.de/…/bericht_atemschutzmaske_unibw_lrt7_0…
)。
さらに、合唱団が複数列で成り立っている場合は常に、歌い手たちが互い違いに立つことが推奨される。この並び方は〔教会の〕礼拝参加者の場合も、他者と自分自身を飛沫感染から守るために、奨められる。教会によく出席者が集まり、安全距離がもはや保てない場合には、上述の科学者たちの研究によればFFP2/3呼吸保護マスクだけが自分と他者を保護する者として役に立つ。しかしこれらの調査にしたがえば、〔1,5mの安全距離〕より遠くにいる人々を感染させることはほとんど不可能である。歌うことをある合唱団の大部分が感染したことの説明として持ち出す記事に関しては、社会的行動が感染の実際の起源ではないのかと、背景調査をする必要があるだろう。もし特に人懐っこい人々が他の合唱団員にハグと頬キスで挨拶し、休憩時間に興奮しておしゃべりをして、練習の後さらに気の合う仲間で夕食をしたり、一緒にワインを一杯飲んだりして、それから心を込めた挨拶をして別れたとすると、この社会行動は感染の場合、歌うこと自体よりも危機的であるということを前提して考えることができる。
距離を取る規則と立ち位置の推奨を守ることと並んで、また非常に重要なのは、緩慢な空間気流による感染の危険を最小化するために、練習場所でのきちんとした正しい換気に配慮することである。このことを保証するためには、一方で換気率をパンデミックの期間には明確に上げ、他方で理想的な空間換気の場合、空気は下方から床を通して導かれ、面的に天井から吸気されるべきである。側面から空気を排出すると、ウイルスで汚染された空気が感染していない人々に向かって流れることがあり得て、それは厳しい状況の下では比較的大きな距離を超えて感染に至る可能性がある。そこで送風機も、それらが空気をわずかな速度(毎秒0.3m以下)で人から人へ送る場合には、練習室では推奨できない。速度が上がれば上がるほど呼気の塊は横向きの流れによって薄められ、それとともにウイルスの負荷は低下するので、この危険はたしかに減少するが、毎秒0.3m以上の風速は不快と感じられる。室内空気を下方に吸気することは、その場合飛沫がより多く様々な物に沈積する可能性があるので、ウイルス感染の観点で同様に不都合である。このことは、色々な物が共同で使用される場合、手指接触感染を引き起こす可能性がある。
考えなければならない点がもう一つある。すなわち、人間の暖かい身体の周囲とその頭上には、皮膚によって温められ、また吐き出された空気は周囲の空気よりも軽いので、通例上昇する対流が形成される。この効果は同様に、室内空気を天井を通して吸気することに有利な論拠となる。
重要なのはまた部屋の大きさである。部屋〔の天井〕が十分に高い場合、湿度が高過ぎないならば、飛沫は比較的長く滞留するので、薄められる結果となる。もし仮に飛沫なしのウイルスが感染力を保ったままであるとしても、そのことはまったく確実ではないのだが、感染の危険は、天井の高さが十分である限り、部屋の上層で空気が混ざることによってさらに低減される。〔天井が〕より低い部屋では、飛沫は薄められる前に再び下方に流れ、もし天井を通して吸気されないならば、場合によっては他の場所で飛沫感染を引き起こす可能性がある。安全な音楽興行のためにはそこで、距離と立ち位置の規則と並んで、換気と部屋の大きさも重要である。
金管楽器はどれくらい危険なのか?
トランペット、トロンボーン、ユーフォニウムの実験では、楽器の前で動かされる空気の範囲は、楽器のラッパ状開口部が小さいほど、音が低いほど、そして音の連続が激しければ激しいほど、大きいことが確認できた。以下のURL参照 https://youtu.be/0JmcjRhV-rs
。全体として動かされる〔空気の〕範囲はこの場合にも0,5mより小さい。金管楽器の場合、本来の音は、軽く前に突き出され、息を流された両唇が振動させられることによって生み出される。〔それぞれの〕楽器の構造が、それに続いて音色と音の強さを変えるだけである。歌う場合とまったく同様に、金管楽器の場合も目標は、咳やクシャミをする時のように、できるだけ多くの空気を短時間に吐き出すことではなく、できるだけ両唇をリラックスさせて、望みの音程に対応するように振動させることである。研究者たちからは、しかしながら、1,5mの安全距離を保つこと、そして咳による飛沫感染を防ぐために、演奏者を互い違いに立たせるように配置することが推奨されている。なぜ上で言及した諸機関〔フライブルク音楽大学、職員傷害保険組合〕が3-5m及び12mの安全距離を要請しているのか、これらの実験結果に照らすと理解できない。〔フライブルク音楽大学は5月6日
、歌手と管楽器奏者の推奨距離を2mに変更した。
https://www.mh-freiburg.de/…/covid-19-c…/risikoeinschaetzung
〕
木管楽器とフルートはどれくらい危険なのか?
クラリネット、オーボエそしてファゴットでは、吹き出し口がより小さく、まっすぐな構造ゆえに空気抵抗がより小さいため、調査した金管楽器よりも大きな空気の流れが生成される可能性がある。中でも低く長く持続する音は1mの範囲で空気の流れを生じさせる可能性がある。なお一層大きな射程がフルートによって長く低い音では到達が可能であった。以下のURL参照 https://youtu.be/0JmcjRhV-rs。この楽器の場合、空気は軽く開けられた口から、アーチ型のリッププレートの上を通り、本来の歌口で吹かれる。それによって空気はほとんどブレーキがかかることなく、その空間に入っていく。リッププレートがアーチ型であるため、空気はしかしながら、コアンダ効果と呼ばれる流体力学的効果によって下に曲げられる。空気は楽器の空気抵抗によってブレーキがかからないので、この楽器から発する感染の危険は、調査された他の楽器すべてより、明確に大きい。労働安全の観点からすれば、したがってフルートを練習ないし演奏会の際、最前列の位置に置き、飛沫拡散防止措置を用いることが有意義であろう。
どのような防護措置が有効なのか?
弾道的な唾の放出と空気の流れを効果的に制限するために有意義なのは、非常に薄く密に編まれた絹ないし紙の布を楽器の開口部の前に固定することである。よく適しているのはまた、スタジオマイクの前に使うような高密度のポップガードである。弾道的に飛ぶ飛沫はかなり大きく、この単純な保護装置で効果的に捕捉することができる。エーロゾルの拡散は、呼気の拡散が妨げられるので、同様に効果的に阻むことができる。楽器のラッパ状開口部(トランペット、クラリネット、オーボエ、ファゴット)あるいはフルートの歌口の前約20cmの距離に保護装置があれば、実験が示しているように、演奏の際、空気の抵抗も音の広がりも影響を受けることはなく、したがって音響〔を楽しむ〕体験も影響を受けない。トロンボーンとユーフォニウムの場合には〔楽器自体の〕空気抵抗と空気の流れの速度が遅いため、弾道的な唾の放出は観察されなかった。唾はこの場合、楽器の中に集まり、それから〔演奏者によって〕コントロールされて排出される。その際ももちろん衛生には気をつけなければならない。楽器の中に集まった水分が強い吹奏の速度で液体の薄膜として楽器から出されること、あるいは液体が過剰に流れて小さな水滴を形成し、その後それらが空気の流れとともに楽器の外に飛んでいくことを防ぐために、この危険は液体の量とともに増加するので、液体は通常よりも頻繁に排出されなければならない。まっすぐな構造の吹奏楽器の場合、これらの影響を避けるために、楽器はできるだけ頻繁に液体を拭い取られなければならない。
屋外での音楽演奏はどれくらい危険なのか?
屋外での音楽演奏は距離と立ち位置の規則を遵守していれば、おおよそ安全であると看做すことができる。ただし、軽く均等な横風が吹いていて、それが汚染された空気を比較的遠くにまで運び、しかもウイルス負荷の撹乱ないし呼気飛沫雲の強度の拡張による低減が生じないという場合は別である。しかし注意しなければならない非常に重要な点が、さらにもう一つある。音楽がビアガーデンあるいは祭りの大テントでどちらかというと背景で、たとえば居心地の良い雰囲気を醸し出すために演奏される場合、その音楽は大き過ぎないようにすべきである。音が大きい音楽は、歓談するのが好きな人々が大声で話し、それに加えてさらに近づくような効果をもたらす。どちらも飛沫感染の差し迫った危険がある場合には致命的である。なぜなら会話の際に生じる飛沫の数と大きさは、声の大きさとともに強度に増加するからである。さらに、感染している人物に対する距離が減少すると、ウイルス負荷は明確に上昇する。そこで主催者は音楽家たちの安全に留意するのみでなく、聴衆の安全をもともに計算に入れなければならない。そしてその場合に、距離、立ち位置、換気、部屋の大きさだけでなく、音の大きな音楽が鳴っている際の人々の行動も重要なのである。たとえばカーニバルやオクトーバーフェスト、しかしまたディスコやスキーバーにおけるような社交的なお祝いは、音の大きな音楽という観点で、危機的であるとランク付けされるべきである。しかしお祭り会場の音楽家たちもまた、パンデミックの終息までは、人々をリスクの高い行動に促さないために、音の強さを軽減すべきである。
