カインの末裔   3/2(金)@シアター・イメージフォーラム


監督・脚本:奥秀太郎

出演:渡辺一志 、 田口トモロヲ 、 古田新太 、 内田春菊 、 楊サチエ 他

配給:NEGA


裏プロジェクトX!

アサハラとサカキバラが川崎で出会う。


フィルメックス映画祭で貰ってきたチラシに書いてあったこの言葉。

これにそそられてずっと公開を待ってたよな気がします。

ハチャメチャな映画だと思ってたけど違った。


医療少年院で孤独な10年を過ごした棟方(渡辺一志)が南武線に乗って

川崎の小さな電子部品の工場にやってくる

石灰にまみれ服は薄汚く、住まいとして与えられた部屋も薄汚く薄暗い。

社会に薄汚い存在として扱われてるかのような身なり


舞台となる川崎の工場地帯は電車で行くのも困難で

外部との接触がほとんどないよな場所ってな設定になってるけど

駅前しか知らないので、ホントにこんな場所が存在するのかは不明


吸い込んだら気管支炎でもおこしそうな排ガスと工場の煙で濁った空気

いつの時代?と思わせるよな下着、長屋のよな町並み

電波の届かないテレビに映し出されるザラついた映像

やたらと喘いじゃう昔のポルノっぽさを演出してるよなシーンは

何だかイケナイもん見てるよな気持ちになるし


現実なのか虚構なのか区別がつかなくなるような独特の世界

なのに、やけにリアルに思えてしまう。


善人面した腹黒い牧師(田口トモロヲ)の娘役、楊サチエが魅力的でした

この娘、心にスっと入り込んでくるよな透き通るよな声で語りかけ

心の隙間を埋めてくれそな気がするんだけど

悪気がないのに、悪いことしちゃうよな雰囲気


牧師にリモコン型のピストルを依頼されたところから歯車は狂いはじめ

償うことすら拒絶されてるかのよに世間に追い詰められていく

棟方には未来とか希望とか、そういう前向きなもんは何もない

不条理な現実と悪循環な社会に銃口を向けることすらできない


あるのは何もできない無力さと孤独と絶望だけ


曇り空が映し出されるエンドロールを眺めていると

絶望的な映画だったのに、なんとも云えない余韻が残った。


とことん絶望的。残るものはずっしりと重たい。




カインの末裔@映画生活