善き人のためのソナタ  3/2(金)@シネマライズ


監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク

出演:ウルリッヒ・ミューエ、マルティナ・ゲデック、セバスチャン・コッホ 他

配給:アルバトロス・フィルム



てっきり、タイトルがタイトルだからでヘッドホンで音楽聴いてるんだと思ってたら

音楽も聴いてはいるのだけれど、盗聴してたのね


今日こそは「幽閉者」を観ようと思って渋谷に行くも

「カインの末裔」の時間が3時だから、ご飯食べる時間もいれなきゃならんし

こっちの方が時間が早いから、「じゃーこれでいいや」ってだけで観たのだけど

混んでると思ったら外国語映画賞受賞作品だったのね

かなり評判の良い映画だったのね

・・・完全にノーマークでした(汗)



旧ソ連の書記長ゴルビーが云った

「ペレストロイカ」という言葉を目や耳にすることが多かった当時

ベルリンの壁崩壊のニュースが流れていたことは記憶に残ってはいるものの

その壁の向こうで何がおきていたのか、何も知らなかった


舞台は共産主義体制を確立してた旧東独

反体制的であるという疑いを持たれれば国家に監視されることになり

しっぽをつかまれれば、自由を奪われてしまう

権力に圧をかけられ、密告に怯え、自由な思想を持つことが許されない


上層部の都合の良いように仕組まれた国家は

そこまで酷くはないにしても自分に置き換えれば

会社や学校などの組織というのも似たよなもんがあったりする


主人公は壁の外のことは何も知らなかったのかも知れない

国家を信じ忠実に仕える国家保安省局員という仕事をしていれば

人間らしい感情を持つことすらできないのかも知れない

国家に守られているという意識もあるのかも知れないし

自由になったらなったで、そりゃ代償もあるんだなと思った



芸術家を通して、多くは語らない堅物の主人公が

心を動かされていく過程を映像から静かに伝える


彼の心の変化が静かに降り続く雪のよにワタシの中に積もり

ラストの言葉を耳にした時、その雪は静かに溶け始めた


・・・観て良かった。心からそう思える映画でした。


静かに心の中に染み入ってくる秀作