全国的に猫の「多頭飼育崩壊」が多発しており、社会問題化しています。

今、神戸でも発生しています。

ニュースでよくみる多頭崩壊は
最初の2匹の不妊去勢手術を怠った為にねずみ算式に繁殖してしまうケースです。

しかし現在神戸猫ネットが関わっているのは、また少し違うケースでした。

その女性は野良猫を連れ帰っては
小さなケージに何年も閉じ込めてしまう
アニマルホーダー(animal hoarder)という心の病です。
異常に猫に執着しています。



一度この中に入れたら
死ぬまで出すことはない


飼い主は理屈はこうです。

「雨露が凌げて餌がもらえれば外にいるよりこの子たちは幸せ」

飲みたい時に水も飲めずに
トイレもないケージの中で糞尿にまみれる猫たち


あることがきっかけで
神戸猫ネットの会員が飼い主と知り合いこの現状が発覚しました。

あまりにも衝撃的な写真なので
掲載は差し控えますが
目が崩壊して治療もしてもらえない
見るに耐えない猫もいました。

家はゴミ屋敷で掃除と300個近いゴミ袋の処理を手伝いました。

私たちはこの劣悪な環境下での不適切な飼育を間違いなく虐待だと思いました。

しかし警察や監視事務所は見解は違う。

ケージの中に餌や水もあり(水はいつもあるわけではありません)、猫が衰弱していないので虐待ではないというのです。

とても残念ですが、
これが今の日本の現状です。

前回行った時には猫が入っていたケージが次に行った時はもう空になっている。
それが何を意味するのか
想像が間違いであって欲しい。。
でも猫に執着する飼い主が外に出すはずがありません。

レスキューは急務です。

幸いご近所の方が説得して下さり
神戸猫ネットに10匹託すことを飼い主が了承しました。


しかし神戸猫ネットはシェルターがありません。
本来は猫の保護は無理なのですが
今回関わった会員が自宅で保護してくれることになりました。

そして昨日決行。

飼い主は10匹と言ってますが
全頭引き出すつもりでした。

当日になって
渡す渡さないと一悶着ありましたが
結局元気な猫だけ渡すということで
6匹運び出しました。

今回引き取っても
空いたケージにまた新たに猫を入れる可能性が高いので
そのままケージごと布に包んで運ぶことにしました。


リレー方式で車へ


今まではこんな汚いケージに
入れられていました



保護先では清潔で広いケージを
準備万端整えて待機してくれました


ノミダニ駆除して
ケージに移しかえました。


レスキューされた猫たちです


一見元気そうに見えますが
この子は筋力低下で後ろ足に力が入らないようで踏ん張れません。





しばらくはケージの中で心と体のケアとトイレの訓練です
徐々にケージからフリーにします。

そして可能な猫は里親募集します。

すでに1匹はおうちが決まっており
他何匹かは預かってくれるボランティアさんも見つかりました。

今回は6匹、その前に4匹引き取っていますので合計10匹保護できました。
しかしまだあのゴミ屋敷に12匹残っています。

引続き飼い主と話し合い
残りの猫も保護したいと思います。

こうした多頭崩壊や不適切な多頭飼育の対処はどこも今回のようにどうしてもボランティアが担ってしまいます。
それは多くの猫を抱えてしまい、二次破綻を招く恐れがあります。

これは単に猫だけの問題ではなく人間の問題でもあり
深刻な社会問題でどんどん増えると思われます。

行政にはしっかりと取り組んでもらいたいと切に願います。