和歌山電鐵 貴志川線と交流と応援乗車に神戸からも沢山の仲間が参加しました。(^-^) | 神戸電鉄「粟生線の会」のブログ

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神戸電鉄粟生線の存続を求めて活動している沿線住民有志の会の「神鉄粟生線を残して」の発信を行っています。

貴志川線に行ってきました。

今年は、あのたま駅長で海外にまで知られた和歌山電鉄貴志川線が、開業100周年、和歌山電鉄として再出発して10周年となっており、“交流と応援乗車”が行われ参加しました。

このとりくみは、全国のローカル線(ふるさと線とよんでいる)存続運動をしている「ふるさと線を守る東日本連絡会」がよびかけ、「貴志川線の未来をつくる会」が丁寧な受け入れをしてくれて実現しました。神戸から粟生線の北区と西区の会など11名が参加。北海道や千葉、東京、三重、大阪など各地からふるさと線(ローカル線)守る運動をしている仲間が集まりました。

貴志川線の会の濱口晃夫代表が歓迎のあいさつで、「日経新聞で南海電鉄が貴志川線の廃止を検討している(2003年)と知り運動を始めた。当初どうなるかわからなかったが、最高6392人の会員が年1000円の会費を払って入会してくれた。これが県知事や各市町長、議会を動かすこととなりました」「貴志川線は14・3キロ、今年230万人の利用で県や市から10年で8・2億円の補助金を出すとして出発した」と、歓迎のあいさつの中で話され、とても感銘を受けました。また、ふるさと線代表の藤代事務局長の開会あいさつでは「ローカル線でなく、ふるさと線とよんで存続の運動している」という言葉がたいへん印象に残りました。

記念講演は和歌山電鐵の磯野省吾専務が話されましたが、「規制緩和でもうからないところは自由に退出できるようになり地方鉄道90社くらいがやめようとしたが、いろんな努力があって70社くらい生き残った」と、この間の地方鉄道の危機の概要を話され、「貴志川線の運行を岡山の私のいる会社両備Gで引き受けるとき条件として①既存の事業者(南海電鉄)の協力があること、②地元自治体や国の支援、③沿線住民の熱意があることなどがそろっていて決意した」「貴志川線沿線は、○人口減がない、○神社など歴史がある、○一つひとつは小さいが観光資源がある、○人材がそろっている、○道路が整備途上であることなども決意の背景にあった」「出発にあたって全部新しい社員で出発、35人に180人の応募があった。8ヶ月しか準備期間がなかったが500ページの計画書つくり、30年の期間の計画をたて、運転士育成など社員教育した。運営には私たち会社のものと「つくる会」や自治体関係者など20人ほどで運営委員会をつくってすべて決めた」「いちご電車をつくった時は水戸岡鋭治さんにお願いし、市民からは1150万円が集まり、おもちゃ電車にのせた『ガチャガチャ』は当初一ヶ月100万円も稼いだ(現在は年100万円)。たま駅長の帽子や衣装は小嶋社長にいわれて私がつくった」「一番新しいうめぼし電車は全メタリック塗装で4900万円、うち1000万円はサポーターからいただいた」「海外から年間5万人、関空からバスで何台も来られ、今年は少し減って4万人くらいになりそう」「貴志駅はネコのデザインで、屋根は檜皮(ひわだ)拭きで、ホームには(小さい)神社がつくられた。猫のたま駅長の社葬は3000人集まり、小嶋社長も『私の時はとてもこんなには』といってびっくりしておられた。たまのお墓はホームにつくられ“大明神”と、神様になっている」「貴志川線の年間利用の目標は250万人にしている。しかし、沿線の道路整備がお金をかけてやられていて、電車利用が減ることも心配」「この線は地域と一体となって、応援してもらう人をつくり、ボランティア精神で盛り立てようと言う熱意に支えられてきた」など、神戸の運動にとても参考になるお話でした。つくる会の運営参加は、私たち神鉄の会がいっかんして要求していることで、これこそ粟生線危機脱出のかなめのことだと確信が深まった。

三重県・名松線の会からは特別報告があり、台風で不通になっていたが今年の3月から開通したぜひ来て欲しいと話されました。

参加者からも、「こんな場所にはじめてきてとても感動している」「ふるさと線と言っているのに感銘を受けた」などの感想がのべられました。

交流会では貴志川線の会や磯野専務などから、「神戸でも『粟生線まつり』やったらいいのでは」「神戸電鉄のOBが運動に参加してもらうのもいい方法だと思う」などのアドマイスもいただきました。

翌日の25日は貴志駅まで応援乗車し、たっぷりと楽しみました。朝10時前に乗ったのですが日曜日ということもあり満員。台湾からのツアー客、親子連れ、若いカップルなどでしたが、台湾の人はとてもマナーがよくて私らの連れの足が悪い人は席を譲ってもらっていました。ねこ電車や、おもちゃ電車、いちご電車などは子どもに大好評、目を輝かせて、ネコに見入ったり、ガチャガチャをせがんだり、とても微笑ましい光景が広がっていました。

そのなかで特に印象深かったのは和歌山電鐵社員がとても親切で教育が行き届いていると感じたことでした。聞いてみると、運営委員会のつくる会のメンバーの意見が社員教育に生かされているとのことでした。こんなところにも運営委員会の成果があらわれているようでした。

参加者の言葉「道路つくる金をどんどん出すより、鉄道へ金を出すほうがよい」はとても記憶に残りました。

 

公共交通神戸電鉄青線沿線住民の足を守る会 事務局 松本勝雄