神戸市の公共交通政策への批判 ③三宮駅前再開発 | 神戸電鉄「粟生線の会」のブログ

神戸電鉄「粟生線の会」のブログ

神戸電鉄粟生線の存続を求めて活動している沿線住民有志の会の「神鉄粟生線を残して」の発信を行っています。

神戸市は、三宮駅前に1万5千㎡をこえる巨大なバスターミナルを、駅前の一等地につくる計画を発表しています。中央区役所や、三宮勤労会館、ダイエーの入っているビル、東急REIホテル、サンパルなどが立っている区域だと発表しています。
予算市会でもたくさんの疑問が出されています。こんな広大なバスターミナルが必要なのか、現在の三宮駅のミントや神姫のバスターミナルなどに比べて、とんでもなく広い敷地であること、サンパルの商売している人への説明が十分されていない、どのようなものをつくろうとしているのか明確にせずにすすめられている。などなどです。
● 「神戸市総合交通計画」では、低炭素社会を実現するとして「都心への自動車の流入や通過を抑制する」と書いています(『計画』の6ページ)が、これに真逆の計画ではないでしょうか。
●これまで神戸市が進めてきた巨大開発事業の神戸空港などでは、たてた需要予測の半分くらいしか利用者がなく、毎年の運営費も赤字、埋め立て建設費返済のための土地の売却も進まない事態になっているが、神戸市は、まともにこの失敗を反省することがない。バスターミナルも、つくるための「需要予測」ありきで、あとで需要予測が過大だったと批判されるようなことをくり返してはならない。
●公共交通で、バスの果たす役割は大きなものがありますが、世界でも、日本でも、都心の再開発は、大きな規模の都市になれば、鉄軌道が中心で、それを補完するのがバスの役割となっています。また、「交通まちづくり」の立場からも、いま神戸市が強引に進めようとしているやり方は間違いだと言えます。
●鉄軌道のLRTや路面電車、地下鉄などはそれぞれ特徴がありますが、大量輸送、定時性、環境にやさしく、エネルギー消費にすぐれている、そのまちのシンボルになる、都心を歩行者と自転車が主人公になるまちづくりで中心的役割を果たせることなど、鉄軌道のすぐれた特徴を生かすことがとても大事です。
●なによりも鉄軌道は公共交通のなかでは、「信頼感」が一番の交通手段であると思います。
●神戸市は、LRT(次世代型路面電車システム)やBRT(バスによる次世代型都市交通システム)を導入するとしていますが、導入で成功しているところは、LRTの役割をハッキリとさせ、それと他の公共交通との組み合わせを考え抜いてやっていますが、神戸では、LRTも、巨大バスターミナルもつくるが、その役割はあまり検討されていないとみられる。
●神戸市の公共交通は、たくさんの種類が導入されているが、さらにLRTなどを持ち込もうとしている。これを市民の意見もしっかり聞かずにやることは、重大な禍根を残すことになる。――神戸市の公共交通~JR、私鉄、地下鉄(西神・山手線と海岸線は別方式)、新交通システム(ポートライナー、六甲ライナー)、ループバス、路線バス(市バスと民間バス)、コミュニティ交通(くるくるバスやどんぐりバス、しおかぜなど)――神戸の気風は「新しもん好き」であるとはいえ、あまり市民の意見も聞かずにまた新しい公共交通のLRTなどを入れるのはよくない。しっかりとLRTの役割や、方式(LRTにもいろんな方式がとりいれられている)、運賃やダイヤなども検討すること。特にLRTは導入されれば必ず“神戸のシンボル”になるだけに、慎重な考え抜いた取り組みが求められる。
三宮バスターミナル予定地