漸く梅雨入りの声が上がり

これからの暑さへの覚悟が固まる。

毎年終日の発汗に悩まされる。

今年の対策を思案する今日この頃。

 

 

 

本日の金言

この仕事に出逢えて既に幸せである。

その先の成功があるとしたら後からで結構。

 

 

先日二女の姉から三男の弟が亡くなったとの連絡が入る。

現在独り暮らしだった彼、深夜の心筋梗塞が原因らしい。

昨秋に天国へ逝った長女姉の時もそうだったが

大好きな兄弟の死は幼少の思い出を鮮明に思い出してくれる。

 

母が介護施設に入るまで長年母と同居してくれた。

昔から無口で感情を顕わにしない朴訥さは父に似ていた。

それでいて優しさ思いやりは表情に滲み出て

子供たちを愛しそして愛された、まさに愛すべき弟だった。

 

棺の中の弟は寝ているように眠っており

いつ起き出してもいいような穏やかさがあった。

ダメな長男の私を支えフォローしてくれていたお礼も言えず

長女姉の時、そして彼女の時同様伝えられずまた見送ってしまった。

 

久しぶりに訪れる私が育った街での葬儀だった。

その駅に降り立ち歩いて斎場に向いながら道端に咲く花を見つけた。

見たことのないそれでいて目を引く花だった。

道急ぎながらもその花の事がどこか気になっていた。

 

弟に別れを告げ駅に戻る際、今度はゆっくりとその花を見返した。

大きな葉の中でとても小さく咲いているその花を見て

私の60年の歳月の中で花の事を全然知らない事を改めて気付かされた。

花の名を知らない事が自身の人生に大きな欠損である様に思う。

 

おそらく弟は私が知っている以上に周りの人に優しかったと思う。

そして私に対しても、他の人がどう言おうと無言で助けてくれていた。

それをひけらかす事もなく何気無くさり気無くそうしてきた彼の事を

何故か人知れず咲く美しい花だったように思う。

 

 

この一年足らずの間に私の人生を助け支えてくれた人の死が相次ぐ。

正直参っていると言いたいが言う先がなく、この駄文の吐露になっている。

大切な人の死が齎すものが余りにも大きく、昇華出来ぬまま今に至る。

今出来る事と言えばせいぜい毎日を淡々と生き、なるべく明るく努めるだけか。

 

 

また受けた恩を直接返す事も出来ぬまま

おめおめと生き永らえる苦悩に浸る。