明日から、分散登校ではなく、ほぼ通常どおりの学校が始まるところがほとんどだろう。それは、「生徒対教員」「生徒対生徒」という対面の空間の本格化でもある。

とくに、1年生。これまで出席番号を奇数・偶数にわけて分散登校し、クラスの半分の生徒しか会えていない。しかも、出席番号は一つ飛ばしで、前後左右の席が空くように、座席を指定していた教室が多い。四方に誰もいないという状況。

話しかけようにも距離が遠く、また、コロナウイルス感染拡大防止のために、なるべく自分の席から離れないように釘を刺されていただろう。

授業中のグループワークなんてもってのほか。とにかく黒板の方を向いて、石像のように固まって過ごす学校生活だったはず。

クラスが本来の30～40人1教室の形に戻っても、いきなり盛り上がることは難しい。

だから、ホームルームや授業で、ちょっとずつ教員が仕掛けなければならない。

机をひっつけてのグループ学習は、まだ感染防止の観点からはばかられる。自分の席にいながら、少し体を傾けるか、顔だけ向けるか、そんな形で、近くの生徒と対話しながらの、「ソーシャルディスタンスを保ったグループ学習」ならできるかな。

そのときに、最初に、「聴く姿勢」をきちんと示しておこうと思う。

あちらこちらの実践例で散見される「聴く姿勢」の箇条書き。でも、とても大切だ。これをしっかり示したい。

まだ仲間として、信頼関係が気づけていないからこそ、「形」から入る。

「聴く姿勢」ができていないと、「話す」側はとても不安になる。自分が「話す」ときに、相手が「聴く姿勢」を取ってくれたら話しやすい。

カウンセラーによれば、②の「アクティブリスニング」のうち、あいづちが最低条件とのこと。あいづちの有無で、話し手の安心感はガラッと変わるらしい。

よく考えたら、教室内でのグループ学習に限らず、日常生活のいたるところでも同じことだ。Zoomなどで双方向のオンライン授業や会議をやっていればわかるが、自分が話しているときに、聴いている人たちがうなづいてくれるだけでも安心できる。

非常事態から入っていく新入生たちだからこそ、こういった基本的な形をまずは徹底しておきたい。

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学校再開 「聴く」リアクションの重要性から