狭義のアクティブ・ラーニングだけが主体的な学びではない | 神戸国語教育研究会カプスのブログ

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あちことで“アクティブ・ラーニング”という言葉を聞く。ただし、本来の目標は「主体的な学び」であり、アクティブ・ラーニングはそれを実践するための方法の1つだと思う。

小説の授業で、登場人物の心情を捉えるために、本文にマーキングをさせる。どんなところにマーキングすればいいかを最初に教え、それを踏まえて生徒自身が本文にマーキングをする。マーキングしたところから、このときの心情がどうだったかを考える。

これを生徒自身がやっていけば、それが主体的な学びだと思う。お互いに教え合ったり討論したりする狭義のアクティブ・ラーニングだけがすべてではない。

結局、生徒自身が考えて答えを見つけていくというサイクルをさせることは、主体的で活動的だから、広義のアクティブ・ラーニングにあてはまる。

小説のあらすじを教師がひたすら黒板に書き、それを生徒がノートに写すだけ。これは学習ではなく、作業だ。思考せずに授業が終わってしまう。

定期考査は、黒板に書いた内容から出題されるので、テスト前にノートを見直しておけば点が取れてしまう。

これは本当の国語のテストとは呼べない。実力問題は、初見の文章が出典である。考えることなしでは点が取れない。ノートを写してそれを覚えさえすれば点が取れる定期考査の結果は、意味をなさない。

私たちは、初出の文章が出典であっても、自分の力で解けるようにする術を身につけさせること。これこそが広義のアクティブ・ラーニングの意義だと思う。

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