先日のブログで記述した、NHKの
でやった(らしい)、「超高齢社会」健康寿命をのばす秒速1メートル歩行
がイマイチ納得できず、再調査した。
その結果、この番組の出典らしきものが見つかった。
それが、2013年12月19日の毎日新聞の記事。
師走も半ば。
「師も走り回る忙しさ」と言われ、どんなに年を取って立派な師となっても、
走り回れる程度に速く歩けることは、健康長寿の秘訣。
最近、米国の研究者が、世界で実施された高齢者の歩行と生存率に関する、
9件の研究をまとめた結果を報告。
対象となった65歳以上の総数は、3万4485人(平均73.5歳、女性約60%)。
6~21年にわたって追跡したところ、1万7528人が亡くなっていた。
この人たちの生存率を、歩行速度別に、
①最も遅いグループ(秒速0.4m未満)
②普通のグループ(同1.0~1.2m)
③速いグループ(同1.4m以上)
の3グループに分けて調べた。
ある年齢の時点で、その後5年間生存する可能性をグループごとに計算すると、
65~74歳では男性でそれぞれ①68%、②90%、③95%、
女性ではそれぞれ①80%、②96%、③97%との結果。
歩行速度が速いほど、生存率が高くなる。
75~84歳でも、男性が①60%、②83%、③93%、
女性が①69%、②91%、③95%と、同じような結果。
10年後の生存率を計算しても、ほぼ同じ結果となり、
速いスピードで歩ける高齢者が高い生存率となることが示された。
過去のデータからも、歩行で秒速1mを維持できると、健康長寿が保てる傾向が強い。
この秒速1mという速さは、私たちの日常生活にも深く関わっている。
歩行者用横断歩道の青信号は、歩行速度が秒速1mの人が渡り切れるように、
点灯時間が設定されている。
横断歩道を青信号の間に渡れるのは、歩行速度が秒速1m以上の人、
渡り切れれば満足できる歩行速度を維持していることに。
渡り切れない場合は、どうすればよいか?
まずは、足腰の筋力を中心としたトレーニング。
歩行速度が遅くなると、転倒なども増えるため、転倒予防にも有効。
体力やひざの痛みなどによって個人差はあるが、
毎日少しずつでも根気よく、できれば仲間も作って楽しみながらやってみるのが良い。
(すずき・たかお=国立長寿医療研究センター研究所長)
やっぱり何かが引っ掛かる。
それは、まずこの記事の数字の曖昧さだ。
細かな数字が並んでいるので、それらしく見えるが、
亡くなった人の男女比が明らかにされていない事や、
グループ①と②の間と、②と③の間の人がどこかへ行ってしまい、
最終結果をパーセンテージだけで表している。
何となく、どこかの国の事故報告書に似てると思うのはオイラだけ?
もう一つ、引っ掛かるのが、
ストライドとピッチの関係が無視されている事だ。
同じ秒速1メーターといっても、
歩幅50cmで1秒に2歩あるくのと、
歩幅1mで、1秒1歩ってのを同じにしているし、
体重100kgの人の秒速1メートルと、
40kgの人の秒速1メートルも同じに扱われている訳だ。
そういった事の数値を記すか、
でなければ同じような体格の人を集めて、っていうんなら解るが…
しかし、数字がおかしいから『秒速1メートル』歩行が間違っているって言ってる訳ではない。
そもそも、
「歩くと健康になる」のではなく、
「歩かないと不健康になる」って事だよねっ。
それにどんなお年寄りでも、常日頃、重労働に励んでいる人や、
本格的にスポーツをやっている方々は、
わざわざ“健康のために歩く”必要もない。
だから、あくまでも“運動不足”を実感している人や、
医師から「アンタ、運動不足だよ」って言われていたり、
見るからに“メタボリック症候群”の歩くカンバンみたいな人達が、
最低限の運動として、“歩きましょう”という事なんだ。
でもその前に、
“百害あって一利なし”の喫煙の習慣をやめ、
早寝早起きと一日三回の決まった時刻の食事をし、
暴飲暴食を慎むという事を実行していないと、
どんなにジョギングやウォーキングをしても意味の無い事になるだろう。
オイラのブログ
2012年11月10日の『ジェボンズのパラドックス』を思い出す。
体重70kgの中年男性が、
時速8kmほどで1時間のジョギングを終え、
「プハーッ、運動した後のビールは美味いっ!」
「おいっ、それじゃぁ何にもならないだろうよ」
「大丈夫だよ、1時間も走ったんだから、
ビール大瓶1本と鳥の唐揚げ5個くらい…」
運動で消費したのは450KCalで、
その後の飲食で650KCalを取り込んでいる。
おまけに
「疲れたから、今日はタクシーで帰るよ」って?
まぁ、世の中こんな事が多い。
だからといって、歩いてもムダだって言ってるんじゃない。
などと、ダラダラになってしまったこの文章を、
どうやってまとめようかなぁ…、って悩んでいたら、
14日の朝刊に出ていた“S毎○”の広告に、
新事実「歩幅」が狭いと認知機能低下のリスク増
って?
この“秒速1メートル”を調べていた時に見たよ、この記事!
それも去年8月の“S文○”の記事だった。
という事で、
次回は『歩幅が狭いと認知症に』を掲載しよう♪