ジェボンズのパラドックス | こばじぃのブログ

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三軒茶屋から山梨県上野原に転居した【ぢぢぃ】のアレコレ

2022/6/1:サイドバーに、
上野原情報メディア「めためたUENOHARA」による、
YouTube「八重山と、こばじぃ」をリンクしました

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久しぶりに見るなぁ、このフレーズ。


11月7日の朝日新聞『天声人語』に、

同誌連載の『CM天気図(by 天野祐吉)』の話題がでており、

その中に出て来たのが“ジェボンズの逆説”であった。


“久しぶり”というのは、

数年前のエコカー減税が決まった時に、

一部の人達が“ジェボンズ…”を話題にしていたからである。


ジェヴォンズのパラドックス(Jevons paradox)とは、

技術の進歩により資源利用の効率性が向上したにもかかわらず、

資源の消費量は減らずにむしろ増加してしまうというパラドックスである。

1865年、イギリスの経済学者ウィリアム・スタンレー・ジェヴォンズが

著書『石炭問題』の中で、

技術の進歩によって石炭をより効率的に利用することができるようになった結果、

より広範な産業で石炭が使われるようになったことに注目し、

ふつう直感的に理解するのとは逆に、

技術の進歩が燃料消費量の減少をもたらすとは限らないと唱えた。

(Wikipediaより)


例えば、

効率化によって工場の石炭使用量が減ると、

浮いた分で別の製品作りを始める。


電力使用量の少ない冷蔵庫ができると、

メーカーはより大きな冷蔵庫を売ろうと したり、

付加機能をつけようとする。


クルマの燃費が向上すると、

今まで歩いて出掛けていたところでも、

ついついクルマに乗ってしまう。
という事だ。




「ねぇ、ねぇ、スイーツ食べてかない?」

「うーん、食べたいけどおっ、ダイエット中だし…」

「大丈夫よ、カロリー半分以下のスイーツしか置いてないお店を知ってるから」

「だったらいいよ。行こうよ」

 :


「カロリー半分以下のお、ショートケーキとロールケーキとおっ…」
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「あんた、それじゃぁ元通りになっちゃうじゃない」

「大丈夫よ、半分“以下”なんだから…」

 :


「お待たせしました。

ショートケーキとロールケーキと紅茶でございます」

「あっ、店員さん!

シュガーを3本貰えますか?」

「かしこまりました」

 :


てな事で、

カロリー半分のケーキが無ければ食べなかったのに、

有ったがために、本来以上の糖分を摂取してしまった。

というのが“ジェボンズのパラドックス”の例である。




「おっ、オマエ、タバコの銘柄を変えたのか?」

「あぁ、この前まで吸ってたヤツは10mgだったんだけど、

禁煙できないから、せめてニコチン・タール量だけでも下げようと思ってさっ」

「軽過ぎないか?」

「あぁそうなんだよ。

軽過ぎて、まるで吸ってる気がしなくってさっ。

本数が倍になっちゃったよ」

「だったら、前のままの方が良かったんじゃ…」




スーパーで買い物をしたら、店員さんが

「袋が薄くって破れ易いので、2枚重ねにしておきました。

前の袋だったら大丈夫なんですけど、

なんか、省エネの一環として薄くしたらしんです」

んっ?

そうれじゃぁ、省エネじゃなくって“増エネ”じゃないの?




そして、ネットでこんな記事を見付けた。

高速道路通勤を2年間していて,とても目につくのは,
ハイブリッド車が,とても速いのだ。
よく追い越していく車が,総じて,ハイブリッド車なのだ。
車は,速度を落とすと燃費は向上する。
80km程度で走行すると,
ほぼカタログ値に近づく。(いや,私のノアは,それをも超える)
90kmでも,かなり良い。
しかし,100kmやそれ以上だと,おどろくほど燃費は落ちる。
さて,ハイブリッド車は,燃費がいい(らしい)。
よって,速度を上げても燃費が落ちたとしても,気にならない。
だから,速度を上げる。
と,考えていたが,
これこそジェボンズの逆説であったのだ。
エネルギー効率をよくすると,エネルギーは、より必要になる。



もう一つ。

トヨタ自動車の看板車“プリウス”がいくら増えても

社会全体のガソリン消費量は減らせないのです。

たしかにプリウスの燃費は素晴らしいです。

けれども燃料消費量が少なくて済むというのは、

ガソリン代が気にならないということであり、つい用もないのに走り回る。

走行距離は増えてしまう、結局ガソリン消費の絶対量は減らせません。

それと、たとえガソリン消費というランニングコストが低くても、

プリウスの製造段階でのエネルギー投入という

イニシャルコストが高いという問題もあります。

せっかくプリウスを購入しても日曜ドライバーであまり乗らなければ、

エネルギー削減効果(ハイブリッド効果とでも言おうか?)はありません。

プリウスと同クラスの非ハイブリッド車を比較して、

プリウスの方がエネルギー消費が少ないと言えるのは、

私の試算したところ走行距離が3万キロを越えてからです。

それはプリウスは構造が複雑だったり

電気モーターやバッテリーとか余計な物を沢山搭載しなければならないから、

部品製造や組み立て段階で沢山のエネルギーが投入されるからです。

結局、プリウスが同クラスの非ハイブリッドカーと比べて、

総合的なエネルギー消費が少なくエコであると言うためには、

どんどんと走り回らなければならないという“パラドックス”が生じてしまいます。

どんどん走り回った上でという条件下では、

非ハイブリッド車と比べるとエコであるというだけです。

(本当のエコは、車を買わない使わない、です。

できるだけ公共交通機関を利用するとか、

自転車で行く、歩く、であることは論を待ちません)

そうだ、そうだ、その通りだっ。


だからオイラは、

もう21歳にもなる車に乗ってるのだ。



みんなも探してみよう、

身の周りの“ジェボンズのパラドックス”を♪