今日は、今年3回目の“13日の金曜日”である。
少ない年には年1回しかなく、最大でも3回だから、今年はもう無い。
こんな事はどうでもいいか。
本題。
ベンジャミン・フランクリンは、印刷所に勤める傍ら、自らの科学や数学に対する知識を発揮して“暦”を発行し始める。
そして世界で初めて暦に格言を付ける事にしたが…
「人にものを教えるのには、教えているような風をしてはならない。
その人の知らぬことでも、忘れたことのように言い出さねばならない」
と、自ら述べているように、自分自身は何も知らないけど、“貧しいリチャード”はこんな事を言ってるよ、って事にし、暦の作者名も“リチャード・ソーンダーズ”という偽名にしたのだ。
そしてこの暦を25年もの間発行し続けていたが、その最後の暦に“富に至る道”という文章を載せ、その内容を『フランクリン自伝』の[附録]に掲載している。
なんともまわりくどい事をしているし、偽名で出しておきながら「私に対する賞賛の言葉が乏しい」なんてぼやいてもいる。
“富に至る道”は25年間、書き続けた格言の集大成になっており、さすがに含蓄のある言葉が多い。
適当に抜粋してみる。
「神は自ら助くる者を助くる」と、貧しいリチャードが1733年の暦の中で申しておりますから…
これは有名だよね。
「ものぐさは、錆(さび)と同じで、労働よりもかえって消耗を早める。
一方、使っている鍵は、いつも光っている」
(この後に“貧しいリチャードが…”と続くが、まどろっこしいので省略する)
「人生を大切に思うなら、時間を無駄遣いするな。
時間こそ、人生を形作る材料なのだ」
「寝たいのなら、墓場に入ってからで少しも遅くはない」
「ものぐさは万事を難しくし、勤勉は万事を容易にする」
「怠け者の足ののろさよ、貧乏がすぐに追いつく」
「早寝早起き、健康のもと。
財産を増やし、知恵を増す」
というわけですから、時世がよくなればいいなどと、ただ願ったり期待するだけで、いったい何になりましょう。
元気を出して働いてこそ、今の時世もよくなってきもするのです。
「勤勉な者は願をかけるに及ばず」
「希望に生きる者は空腹に死す」 (笑った)
「勤勉は借金を支払い、自暴自棄は借金を増やす」
「引っ越し三度は丸焼け同然」 (オイラは10回以上しているが、それが何か…)
また、貧しいリチャードは、
「金を出して後悔を買う愚か者」と申しております。
貧しいリチャードの言葉を借りれば、
「井戸かれて水の貴きを知る」のです。
その忠告に初めから従っていたら、それくらいのことは、とうの昔に分っていていいはずです。
貧しいリチャードは…
貧しいリチャードの言葉…
これらの格言を実行しているはずのリチャードが“貧しい”のはなぜ?
この“貧しいリチャード”の口を借りて語られている格言の数々は、フランクリンが“富に至る道”の最後に書いているように、そのほとんどは古今東西の名言を適当に拾い集めてきた物だという。
だったらリチャードの口を借りなくってもいいんじゃないかって、思うが。
それがフランクリンに対してなのか、リチャードに対してなのか不明だが、ちょっとだけイライラしているオイラ。
もう少し寛容にならねば♪