17歳のジャズ、而して、スーパーカブ 第88話
僕は、めぐみに手を振った。ビートルズがやってくる!やあやあやあ!みたいな感じでさ。隆志は、顔を水道水を沸かした温泉とやらにぶくぶくと沈めた。僕は、隆志の頭を押さえ付けて、溺死させようとした。まあ、さっき僕の首を絞めたお返しみたいなものだったよ。
「一発やらせろよ」
僕は、めぐみに言った。
「じゃあさ、僕ちゃんのちんちん見せなよ」
めぐみは、僕のセクシャル・ハラスメントにセクシャル・ハラスメントで返答した。
「お前、美人だな」
僕は、率直な意見を言った。簡素にさ。ごく簡素にさ。
「よく言われるわよ、それ。もっと違う言葉をちょうだい」
めぐみは、そう言うと、シャワーを浴びた。
僕は、浴槽の縁に肘を突いて眺めた。彼女の肉体を観察した。じろじろ見た。目で犯した。視姦さ。堪能した。
隆志は、その円らな白痴の瞳を瞬いていた。チンボコを隠しながらさ。勃起したチンボコを隠しながらさ。隠せるもんじゃないのにね。いきり立ったイツモツなんか隠せる訳がないのさ。はち切れそうなんだからさ。
「隆志、そいつをしごけよ。あの女にぶっかけてやれ」
「ちょっと聴こえてるわ」
めぐみは、ぷりんとした乳房をわざと揺らしながら言った。
「啓太、俺、どうしたらいいんだ?」
「強姦してこいよ」
「やり方、わからねえよ」
「ただ突っ込むだけだ。それで、腰を振るだけだ」
「難しそうだな……」
「おい、売春婦、僕の大親友がさ、強姦したいだってさ、こいつ童貞だからよろしくな」
めぐみは、僕の言った売春婦という言葉に反応したようだったけど、僕は無視した。
「なあ、売春婦、こいつ童貞なんだよ、筆卸を頼む」
隆志は、童貞だった。これについて、僕は詳しく書きたいけど、いまはまだやめておく。
「あんまり失礼なこと言うと、おまんこ見せちゃうわよ」
「もう見えてるぞ、半分くらいはな」
めぐみは、いわゆるパイパンだった。つまり、毛を剃り落としていた。
「綺麗?」
「奇妙だ」
「何?」
「だから、奇妙」
「気持ち悪いって意味なの?」
「違う。奇妙は奇妙」
「変なの」
めぐみは、椅子に腰掛け、どうやら毛の処理を始めるようだった。剃刀を使って、石鹸やクリームなど無しで剃りにかかるようだった。
「これは見ないでね」
「いや、見せてもらうさ」
僕は、前のめりになって意思表示した。
「……啓太、見ちゃ悪いだろ」
「うるせえよ、童貞野郎が。見せてもらえよ」
「俺はいい」
隆志は、背をめぐみ向け、数を数え出した。
「白痴め!」
僕は、あいつの横っ面に水道水を沸かした温泉とやらをぶっかけた。それから、めぐみの処理作業を見つめた。
もっとも、毎日剃ってるせいなのか、剃るほどの毛は生えていなかったけどさ。
さあ、今日は御伽噺はもうお仕舞いだ。また明日、つづきをでっち上げることにするよ。