侊心会 仏像彫刻教室生徒 松原様 | 小林順一 木彫刻師への道

小林順一 木彫刻師への道

木彫刻師を目指して、日々の修行とそれをとおして感じたことを書いていきます。

師匠の関侊雲先生が開かれております、侊心会 仏像彫刻教室にて、先日、生徒の松原様が作品を完成されました。

松原様は80歳近くなられてから、仏像を彫りたいという想いで教室に通い始められました。
今年83歳になられるご高齢でありながらも、休むことなく熱心に通われ続け、先生方のご指導のもと、見事に念願だった聖観音菩薩立像を彫りあげられました。


物事を新しく始めることに、年齢は関係ないと、自分は思っております。

しかし、そうは思っていても、不安や、恐れのようなものを、感じることがあります。

 

上手くできるだろうか、周囲の人となじめるだろうか。と、考えてしまいます。

 

松原様が80歳近くになられてから仏像彫刻を始められ、五年間かけて完成されたことをお聞きしたときに、大変感銘を受けました。

 

始められたこと、そして五年間続け、この聖観音菩薩立像を完成されたこと、すべてに松原様の、とても強い想いを、自分が勝手に、ではありますが、感じました。

 

自分は元々教室へ通うことをせず、完全な独学で彫刻を始めました。

ただ〝彫りたいから彫る〟〝彫りたいものを彫る〟趣味の彫刻。

 

修行をさせていただいていた最近まで、その姿勢は同じままだったと思います。

 

最近、〝彫りたいから〟という理由だけではいけないのではないかと感じていました。

なにを想い、どんな想いを彫っているものに込めるべきなのか。

 

答えはまだ出ていません。

 

考えるが悩むに変わってしまっては困るので、ひとまず彫ること自体を楽しんで、手を動かそうと思います。

答えは時間とともに、みつけていくべきなのだと思います。

 

 


松原様、このたびは、本当におめでとうございます。

ありがとうございました。

 

読んでくださった皆様も、ありがとうございました。

 

失礼いたします。