みなさんこんばんは!
本日はずっと見たかった「ヘレディタリー/継承」を見ました!
あのA24作品かつ監督がアリ・アスターということで期待しかしていなかったのですが、もうめちゃくちゃ面白かったです!
「21世紀最大のホラー映画」と称されていたので、どんなけ怖いんだ、、と少しビビっていたのですがいい感じにゾクゾクして最後まで飽きることなく楽しめました。最後はノンストップで怖さが襲ってくるのですが、独特の世界観なので怖いというより異質なものを見せられている不安の方が強かったです。
今回はネタバレしながら考察メインで書いていきたいと思います!
ということで、以下ネタバレゾーンとなります!
物語は、アニーの母親・エレンが亡くなり、家族でお葬式に行くシーンから始まります。エレンは気難しい人でアニーともあまり仲が良くなかった。そのため、悲しい気持ちはもちろんあれど、胸中は少し複雑。エレンには人を操ってしまう力があるため、息子・ピーターが生まれたときは不干渉ルールを敷いており、その後娘・チャーリーが生まれた際は、エレンに捧げ孫を溺愛するおばあちゃんとなっていました。
そのため、チャーリーはおばあちゃん子の子どもだったのです。エレンから恐ろしいものを継承しているとは知らずに――
その恐ろしいもののヒントとなるのが、アニーがエレンの死後に「愛する人の喪失」というセラピーに参加したとき。エレンは解離性同一性障害を患っており、父は精神疾患による妄想症で餓死、兄は16歳の時に首つり自殺をしたと明かします。兄は死ぬ前に「母が僕の体のなかに何かを入れた」と残していました。そしてアニーも夢遊病を患い、過去にピーターとチャーリーを道連れに心中を図ろうとしたことがあったのです。
そのためアニーは、子どもたちにも精神疾患が遺伝してしまうのでは、と不安がっていました。
では、グラハム家に継承されたものはなんだったのか。それは地獄の王であるペイモン。最後の方に名前も出てきますが、チャーリーが事故に遭ったときの柱にもパイモンのシジルが書かれています。
序列9番目の王で、200の軍を率いているというこの悪魔。ヒトコブラクダに乗っており、その見た目は王冠をかぶった女性の顔に、男性の体を持っていると言われています。
アニーがセラピーで出会ったジョーンという女性は、実はエレンとともに悪魔崇拝をしていたことが最後の方で明らかになります。
エレンは自身の息子、すなわちアニーの兄の体にパイモンを復活させようとしていたが、息子の自殺によって失敗。「母さんが何かを入れようとした」という遺言も、おそらくそういう事だったのでしょう。
そしてエレンの死後、ジョーンはこの儀式を継承していたのです。
パイモンは女性の顔をして体が男性なので、チャーリーの首とピーターの体が必要でした。一見不慮の事故のように見えたチャーリーの死も、実は仕組まれていたのかも、、(柱にパイモンのシジルもありましたし、、)
また、エレンのお墓が掘り起こされて首が切断されていたり、アニーがのこぎりのようなもので自分の首を切り落とそうとしているもの、女性の首が儀式において必要であることを示唆しているのではないかと思いました。
そして個人的に衝撃的だったアニーの夫・スティーブが焼死するシーン。
チャーリーが生前使っており、死後は降霊術でチャーリーと交信するために使用された小さなスケッチブックは、アニーが燃やそうとすると自身にも火が燃え移っていました。一家に降りかかる悪夢に気づいたアニーは、スケッチブックを燃やして自分も一緒に死ぬことで事態が収束するのではと思い、暖炉に投げ入れますが、そこで燃えたのはアニーではなくなんとスティーブ。
終始冷静で、ある意味捉えどころのない人でしたが、彼はいわゆる血筋の人ではないので殺されちゃったのかなぁと。いくら男性の体が必要とはいえ、グラハム家の人間ではない人に召喚されてしまっては意味がないですもんね、、
おそらく、幼いころからエレンと過ごしてきたチャーリーには、生まれた時点でパイモンは継承されていたと思われます。だから窓にぶつかって死んだ鳥の頭をハサミでちょん切ってたのでしょう。。”首”がキーであることを示唆していた可能性もありますが。
ラストのピーターが小屋へ行くシーンからはずっとぞわぞわしてて、カルトチックで不気味な感じがミッドサマーっぽいなぁと思ってちょっと興奮しましたが、ミッドサマーより全然怖かった、、笑
腐敗したチャーリーの顔に金色の王冠が載っていて、首から下もこれまた金色で作られた像みたいなのにひれ伏している人がいる画は恐ろしかったですね、、
しかも先頭でひれ伏している2人は首がなくて(おそらくエレンとアニー)、片方は今さっき首が切られたのか血だらけ。
ここはかなりトラウマシーンでした。
あとは虫がめちゃ出てくるので、苦手な人は要注意です。
正直なによりも虫がいっぱい出てくるシーンが怖かった笑
ミッドサマーの世界観が好きな方はきっと気に入ると思いますが、手放しにオススメできない作品でもあります。。
ホラーが苦手な人やグロいのが苦手な人には向かないですが、興味のある人はぜひ見てみてください!
それでは!