私は歯科医になってから気がついた事実があります。
それは、虫歯の痛みに個人差があるということです。
そして、身体の大きい人ほど歯の痛みに敏感な人が多いということです。
3人ぐらい人を引きずったままトライを決めそうなラガーマンの患者さんが、小学生でも痛がらない小さな虫歯の治療で、断末魔の悲鳴をあげるのを聞いたことがあります。
歯髄炎の大きさは、人によってそんなに差があるはずがありません。
よって、生じる痛みの差異も計測誤差レベルで収まるはずです。
仮に痛みの度合いが酷くても、身体が大きくて丈夫な人ほど、痛みに対する耐性は強いはずです。
ところが現実はその逆です。
となると、炎症以外の要素が、虫歯の痛みを増幅させているのではないでしょうか?
全てのケースとは言いませんが、身体が大きくなり、丈夫になれば変化する何かが、虫歯の痛みを増幅させている。
こう考えるのが、合理的に思えるのです。
身体が大きくなれば、何が一番変わるでしょうか?私は力だと思います。
成人の大臼歯は、咀嚼時に自分の体重と同じぐらいの力がかかると考えられております。力を入れるときには、体重の3倍ぐらいの力がかかると考えられています。
体重の3倍の力がかかっても何故痛くならないかというと、理由は二つあります。
①同じ力が全身にかかる。
②力がかかるのが短時間である。
では、もし最大で体重の3倍の力が、特定の歯に長時間かかったらどうなるでしょう?
小柄な女性でも、最大値は100kgを超える計算になります。
わかりやすくイメージすると、
「もしもハイヒールを履いたマツコ・デラックスさんに足を踏まれたら」
ということになります。
……想像するだけで、痛そうです(^^;。
それが、私が考える虫歯の痛みの感じ方に個人差があるという理由です。
体重が100kgの人なら300kg位かかる計算です。
ハイヒールを履いたマツコ・デラックスさんどころか、現役時代の小錦関に四股で踏まれるというレベルになります。
……痛いどころか、足が潰れてもおかしくありません(^^;。
ラガーマンの患者さんが断末魔の悲鳴を上げるのも当然です。
マツコ・デラックスさんは辛口ですが悪口を言う人ではありません。
「すいません、足を踏まれているんですけど」と言うと、
「あら、ご免なさい」と言って、すぐに足をどけてくれると思います。
でも実際は、マツコ・デラックスさんに足を踏まれていることに、ほとんどの歯医者は気がついていないのです。
だから誰も足をどけてくれと頼みません。
つまり、マツコ・デラックスさんに足を踏まれたまま、絆創膏をはるどころか、傷口を突くような真似を、我々はしている可能性があります。
私は、マツコ・デラックスさんに、足を踏まれている可能性に気付きました。
そして、足をどけてもらえる方法も見つけました。
……時々ご機嫌を損ねることもありますが(^^;。
残念なことに、私の治療を受けた患者さん以外は、誰も信じてくれません(^^;。
本当だと思ったら、歯の痛みがある時に、当院へおこし下さいm(_ _)m。
なお、私はマツコ・デラックスさんや小錦さんに、何ら含むところはありません。
誰もがイメージできる人の中で、足を踏まれたら最も痛そうな人を選んだだけです。
もし、万が一にも、ご本人から苦情が来た際には、お詫びの意味も込めて、謹んで足を踏まれることを、ここにお約束いたします。m(_ _)m
……痛そうだなぁ。