ご先祖さんのおもてなしで大忙し。 | いけず女優 こばやしあきこオフィシャルブログ

ご先祖さんのおもてなしで大忙し。

京都は盂蘭盆。八月は 仏事目白押しの大忙しです 。
第一週は 父方の本家 母方の先祖 わが家のお墓まいりと墓参三昧 。
2週目は先祖の御霊 お精霊さん(おしょらいさん) を六道さん(珍皇寺)へ迎えに行く『十日参り』があります 東山 清水道の辺りにある珍皇寺。 昔この辺りは鳥辺野の葬場で六道の辻と呼ばれ 冥道へ通じていると信じられてました。 いつもはひっそりしたこの界隈が 、8月8日から10日までの3日間は六道参り十日参りで 大賑わいになります 。
“迎え鐘”といって お堂の側面の壁の穴から出ている縄を横に引っ張ると鐘が鳴り 「お迎えに来ましたえ お盆に帰って来てくださいよ~ 」とご先祖の霊を心の中で呼ぶんです。
京都の人間は宗派にかかわらず 六道さんへ参ってお精霊さん都中から人が集まり境内に収まりきらへん人の列はぐるぐると近隣の路地を埋め尽くして 最後尾を見つけるだけでも一苦労 長蛇の列とは正にこの事やと毎年思います(^_^;)(今年はうちは行けへんで、ははにまかせましたが。。)

お迎えはそれだけでは終わりません さらに13日の晩には お精霊さんが久しぶりで家を間違えたりしはらへんように 家の前でお火焚きします 。
その火でつけたロウソクとお線香をお仏壇に供えて やっとお迎え完了 。

ここからの、ご先祖さんのいはる間の三食とおやつがまた大変。これ、メニューも決まっておりまして。

お精霊さんの一日目のおやつは、さつま芋入りの冷やし葛、二日目のおやつがスイカ。メインはおはぎの他に ひじきやのっぺ汁、お素麺におかぼの炊いたん、さらに、胡瓜にトマトにトウモロコシにお茄子などなどの生の盛り野菜に、蓮にためた水をその野菜に槇の葉でかけて朝夕お参りします 。「お精霊さんは、水が一番よろこばはるんや 。たっぷり何度でも替えたげたらええ」 と教えてくれた父 。今その父のために 「仰山のんでな 」と水をかえます。

そうこうしていると あっという間に3日過ぎてもうお送りの16日 。

朝お仏壇の火をお線香にうつしてわが家の場合は有栖川へ 。お弁当の蓮ご飯とお線香をお供えしてホウズキを流し第一陣をお送りします 。ご先祖さまたちは、この世が居心地がええのか 、1回ではなかなか帰りきらはりません 。

夕刻から広沢の池や嵐山 大堰川には無数の灯篭が浮かび 20時には大文字 それから順々に左大文字 妙法 船形 鳥居形と火が灯ります 。これらの火とともにようやくお送り終了。 (そやから、“送り火”て言います。大文字焼きは京都には有りませんので、お気を付けて~笑)

何度も何度もお迎えしてお送りして 「また来年」 と夜空にうかぶ鳥居に手を合わせ 京都の夏が終わります 。

追伸、今年は一足早く移動やったので、お送りは母と姉にお願いし、送り火見られず。。20時に江戸から西の空に手をあわせました。

写真1枚目:母屋の庭、母屋の門、お火焚、お盆飾りのお仏壇、お火焚、お水替え
写真2枚目:母屋の玄関、お供えにお水を槇でかえるとこ、母屋の桔梗、母屋の仏間、のっぺにひじきに茄子のおひたし、おはぎ作り、母屋の広間