桜餅 | いけず女優 こばやしあきこオフィシャルブログ

桜餅





美しき桜の雨や電気灯 

 見ているとみんな優しい顔になる、桜って不思議な花ですね。
こんにちは。関東は花冷えが続いてぱっと咲いたら一気に散ってしたいそうですが、京都はこれからが、お花見本番となりそうです。

なかでも平安神宮の紅枝垂れはほんまに見事で、一歩神苑に入ると花花が咲き乱れ、まるでピンク色の雨が降り注ぐよう。
その美しさは、谷崎潤一郎の「細雪」でも「この桜をみんことには、お花見した気にならへんなぁ」と紹介されているほどです。

昼間の青空に映える花もいいですが、漆黒の夜空に浮かびあがった紅枝垂れは、可憐な少女が艶やかな女性になったような色っぽさを魅せてくれます。

他にも、京都は桜の名所が数しれず。清水、加茂川、哲学の道...。連日お花見客で賑わっていました。

また、少し遅咲きの仁和寺・御室桜(写真)はまだまだ四月後半に楽しめそうです。
以前私が訪れたのはあいにくの雨空でしたが、露にぬれる花はまるでお風呂上りの女性みたい(*^_^*)またひと味違った美しさ愛らしさを教えてくれました。

さて今日は、そんなお花見で花より団子のお話を一つ。
桜餅というと、みなさんどんなものを思わはりますか?私は、もち米をふかした柔らかい“道明寺”で餡を包み桜の葉でくるんだものしか知りませんでした。初めて関東で桜餅をみたときはびっくり!小麦粉を溶かして焼いたクレープのようなもので餡を包み桜葉でまいたはるんですね。沢山並んでいる前で「桜餅は売り切れですか?」と頓珍漢な質問をしてしまい、東西でこれほどまでに違うのかとカルチャーショックをうけました。
この道明寺桜餅、もともとは大阪にある道明寺さんが由来て言われてます。桜の葉をお皿がわりにしてお餅が供えてあったのを、門前の茶店の主人が硬くなったからと蒸し直してあげたところ、あの独特の少し粒の残るふわっとしたお餅が出来上がったとか。もったいないの精神からうまれたんですね。桜の名所が多数ある京都で評判となり広まりました。
博物学者・南方熊楠(みなかたくまぐす)によれば、桜餅はすでに天和3年(1683)、京都に存在するようです。大田南畝(おおたなんぽ)の随筆『一話一言』(一)に登場する京御菓子司「桔梗屋」の河内大掾が菓子目録「御菓子品々」の中に“さくら糖”、菓子目録「御茶菓子丸蒸物類」の中に“さくらもち”を載せたといいます。
桜見物で一際賑わう嵐山は、現存する桜餅屋で最も古いといわれる店から趣向を凝らした新しい店まで立ち並ぶ桜餅激戦区。茶の湯千家御用達の「鶴屋寿」の桜餅、道明寺の中に餡が入っておらず別に出てくるものや、塩漬けされた桜の花がのっている物、東西の桜餅を食べ比べさせる店などなど。番外編としては桜餅ジェラートなんていうのもあります。桜葉も入っててほんまに丸ごと桜餅が入っているのかと思うほど美味しさ風味そのまま。初夏のような暑さが続いたので、今年は特によう食べたはるのを見かけました。嵐山にお越しの際にはぜひお気に入りの桜餅見つけてくださいね。

追伸:冒頭の句は、昔何かで読んで気に入り覚えていたものですが、作者を忘れてしました。どなたかご存知の方がいらしたらぜひ教えて下されば幸いです。



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