こんばんは

こばしょーでございます。

こんなニュースが飛び込んできました。

小型機が胴体着陸=けが人なし、一時閉鎖-長崎空港


記事によると、機体は崇城大学の機体。タッチ&ゴーの訓練中だったとのことです。

写真と状況から、機種はB58バロンですね。
てことは航大で使ってたバロン、ボナンザと基本的なシステムは一緒です。

状況から考えられる原因はおおよそ想像がつきます。
「リトラクトプリベンションの作動」です。

リトラクトプリベンション(Retract Prevention)とは、簡単に言えば「ギアが地上で上がらないようにする機構」です。

あれ?その機能が働いたのに地上でギアが上がったの?と思われた方、さすがです。

この機能がどういうロジックで作動するかがポイントです。

ポイントは二つ。
・飛行機が地上にあること(ギアに荷重がかかっていること)
・スロットルレバーがadvanceされていないこと(パワーを入れていないこと)
この二つの条件がどちらか当てはまっていれば、
「ギアを下げた状態でギアレバーを上げても、ギアは上がりません。」

そしてギアは下がっているのにギアレバーは上がっている、という状態のもとで、上の二つの条件が消えると、いきなりギアが上がってきます。

つまり今回の事象は、
1,着陸に際しギアを下げ接地までは通常通りに行った。
2,次の離陸に際しフラップをあげるべきところ、フラップレバーと間違えてギアレバーを上げた。
3,当然フラップは上がらず(写真を見てもフラップは下がったままです)、リトラクトプリベンション機能によりギアも上がらない
4,離陸しようとスロットルレバーをadvanceした(ひとつ目の条件解除)
5,機速が速くなり、翼が揚力を得ると同時にギアにかかる荷重も軽くなる
6,機体が地面の凹凸で跳ねるなどしたタイミングでギアの荷重を検知するセンサーが荷重を0と検知する(飛行機が空中にいると認識)(二つ目の条件解除)
7,ギアが唐突に上がりだす
8,まだ翼には機体を浮揚させるだけの揚力はないので、機体は地面に接触

といったようなシナリオが考えられます。

なぜこんなに詳細に推測できるかというと、

数年前、航大機で鹿児島で全く同じ状況があったからです。
それ以来、航大では少ないパワーでギアの操作をする場合には気を付けるよう指導されています。
帯広課程のボナンザにはこれ専用の警告灯もオプションで装備されていました。

今回の機体にそのような警告灯があったかどうかは不明ですが、このようなプリベンションシステムに関してはは多くの機種に共通でしょうから、当該機体でもこれは装備されていたのだろうと思います。
今回は怪我人がいなくて何よりでした。
もちろん今回の崇城機が全く気を付けていなかったわけではないでしょう。
しかし、もし上記のような原因なのだとしたら、自分の操作で滑走路を封鎖させ、24便もの欠航を生み出してしまうわけです。
パイロットとして、公共交通機関の運転士として、交通流を阻害してはなりません。
僕もこれから気を引き締めて訓練していかなければとおもいます。