店に歴史あり。
美と健康、長寿を保つと言われる秘伝の清王朝宮廷料理。
その西太后が愛した味を、宮廷料理人だった方の直系の子孫のみで代々引き継いできた厲家が営むレストランだそうです。
宮廷料理というと、見た目にも豪華なフォトジェニックな感じを想像してしまいますが、西太后が日常愛した料理の数々だそうで、
食品添加物を一切使わず、シンプルながら医食同源に基づいた滋味深い一皿一皿に、
真の贅沢とは?本当の美食とは?と、考えさせられました。
前菜、最初の四皿。
「厲家菜の代表作 翡翠豆腐」
初代が西太后が大好きな翡翠を取り入れて発案した料理で、
そら豆とホタテの甘い香りが食欲をそそります。
西太后はかなりこの翡翠豆腐をお気に召され、初代は更に、位が上がったとか。
「じゃあ、出世料理ですね!」と、説明してくださったお店のマネージャーの方に言ってしまい
「まあ、もともと内務府大臣だったので、高い地位にいたのですが・・・笑」
と。最初にしてくださった話を忘れて出世に飛びついた自分がちょっと恥ずかしかったです。
豊臣秀吉の出世の幅とは違うようですが、(何故か急に秀吉が出てきましたが)
とにかく。見た目にも美しく、ふわっととろけるようで、そら豆とホタテのハーモニーが絶妙の美味しさでした。
牛肉のスパイス焼き
「仏教徒の精進料理 人参の炒め物」
西太后は仏教を信仰していて、当時の中国では、仏教徒にとって旧暦の1日、15日は
「菜食の日」で、野菜以外を口にしない日だったそう。
これは、その菜食の日に欠かせない素食(精進)料理で、
油は「人参油」を使っていて、さっぱりとしゃきしゃきっと、毎日でも食べたい味でした。
前菜、後半の四皿。
白菜の芥子漬け、鱈のスパイス揚げ、
上質なコラーゲンだけを残すように作られた、清朝宮廷料理番の豚バラ肉の燻製。
包丁技が冴える逸品、セロリの蛯子酢和え
この冴えわたる美しさ。
宮廷料理人の独特なセロリの切り方を継承しており、
茎の中で触感の優れた一部しか使わず、幅、厚さ、長さを揃えて仕上げています。
蛯子と三位のあるソースで和えることで血液をきれいにすると言われているそう。
で、メイン。
お店の方から、お料理の説明をお聞きしていると、
一刻も早く食べたくなり、結果、メインの二品だけ写真を撮り忘れるという・・・。
「大海老の炒め 紹興酒の香り」
「厲家名菜 豚肉と白菜の煮込み」
どちらもね、、、この文字を打ち込んでいるだけで、ごくりと。
記憶に長く残る味でした・・・。
気を取り直して!デザート!
宮廷スタイルの羊羹と、杏仁豆腐とも違う、ミルクプリンのようなヨーグルト。
二品ともあっさりとしていて、ほんのり甘く、しずしずと胃袋に収まりました。
満ち足りた!
ビバ母の誕生月!