映画「私の男」。


有楽町スバル座で、レディースデイにひとりで観賞。


ひとりで観に来てる人の、なんと多かったことか。


男性も、女性も。


でも、すごく分かる。


これは、ひとりで観たい。


観終わったあと、意見交換なんかしなくていい。


自分の中で、思いっきり浸りたい。



原作を愛しすぎる作品は、思い入れが強すぎて、大抵ひとりで空回りするのだけれど、


(あの場面がどうしてなかったとか、あの解釈は違う、とか。)


映画「私の男」は、全然裏切られなかった。


近親相姦だとか、禁断の、とかそんな言葉で片付けてほしくない、形容しがたい「愛」も、


桜庭さんの表現が爆発していた「腐って散った」花火も、凍てつく大地も、血も涙も、


全部あった。淳悟も花も、まぎれもなくそこにいて、苦しんで、愛し合っていて、どうしようもなくなっていた。



そう、「私の男」は、どうしようもないんだ。


周りが何と言っても、未来を見ても、過去を見ても。


反省も、希望も、何もないんだ。


それが、いい。


時には、答えなんて、いらない。