公園に遊びにいくとなかなか帰れない。

 

家でおもちゃで遊んでいると遊びが終わりに出来ず、お風呂に入れない。

 

毎日、おおよそのスケジュールは立てているが、いつも時間はおせそせ…

 

寝る時間が遅くなり、結果的に睡眠不足で朝から不機嫌。

 

また、切り替えが苦手な悪循環…

 

その悩み、あなただけではありません!!

 

 

  うまく行動を切り替えるために よく言われていること

 

①見通しを立ててあげよう

(例.「18時になったらお風呂に入ろうねー」と事前に声をかけておく。)

 

②あと何回やったら終わりにすうか本人に決めてもらう

(例.「あと何回やったらお風呂に入る?」)

 

③視覚的にわかりやすいタイマーを使う

 

ソニック 時っ感タイマー

 

などをよく聞きますが、これらの方法を試して、うまくいくときもあればいかないことも多いのではないでしょうか。

 

今回は、作業療法の自分が行動の切り替えが苦手なお子さんのリハビリ場面でも使っている、家でも試してほしい4つの方法をお伝えします!

 

 

  うまく行動が切り替えられない理由

 

具体的な方法の前に、子どもが行動が切り替えるのが苦手な理由を説明します。

 

脳には前頭前野と言われる部分があり、人間らしい生活を送る源の部分とも言われています。

 

前頭前野の役割には

 

1.感情をコントロールする

 

2.計画を立てる

 

の二つがあり(その他にもあります)、行動を切り替えるのにはこの機能が必要です。

 

子どもは前頭前野の機能が未発達であり、ADHDの傾向があるお子さんは特に苦手な部分になります。

 

このことからも、お子さんはわざと親を困らせようと駄々をこねているのではなく、自分自身もうまく次のことに切り替えられなく困っているのです。

 

そのため、親が叱る(怒る)行為は、解決につながらない場合が多く、逆に子どもとの関係性を悪化させてしまいます。

 

できることなら、子どもが楽しく行動を切り替えてほしいですよね!

 

 

  うまく行動が切り替えられるためにやってほしい4つの方法

 

1.一度、全力で子どもと一緒に遊ぶ

 

子どもも私たちと同じ人です。きりが悪いところで中断されても嫌です。(好きなテレビドラマを急に消された私も怒ります。)

 

大事なのは、声をかけるタイミング。

 

そしてそのタイミングがまだまだ来なそうであれば、一度全力で子どもの遊びにお付き合いさせて頂きましょう。

 

子どもは親が一緒に遊んでくれた悪い気はしないはずです。(自分のペースで遊びたい子は別です。)

 

全力で遊びに付き合い(意図的にダイナミックなクライマックスを作れたら最高)、子どもが満足したタイミングが、誘導のタイミングです。

 

案外スムーズに切り替えられることがあります。

 

「全力で遊ぶの、大変…」と思う方もいるかもしれませんが、変に気分をこじらせられるよりは、結局、時間短縮になることが多いのではないでしょうか。

 

 

2.子どもの世界観に入り、役になりきる

 

ごっこ遊びが始まっていえばこちらのもんです。

 

行動を切り替える行為自体を遊びにしてしまいましょう。

 

例えば、うちの子の将来の夢は消防士なのですが、ごっこ遊びの中で

 

「風呂場で火災発生!消防隊は直ちに現場に出動してください!!」

 

と言うと、大概「はい!わかりました!」とダッシュで風呂場に行きます。笑

 

場所が変わると気分も少し変わるもの。脱衣所では一瞬で服を脱がせば、ややぐずりますが観念することが多いです。

 

 

お姫様に憧れる女の子の場合は

 

「姫、そろそろお城で舞踏会がございます。シャワーを浴びてドレスに着替えてください。」

 

と執事風に言うことで、気分がのるかもしれません。

 

「なりきる」については、「のうだまーやる気の秘密ー」著:上大岡トメ&池谷裕二 の本でもやる気を出すのに必要な一つの方法と言われています。

 

やる気がなくても、行動を変えるだけで脳は案外簡単に騙されるのです。

 

 

 

3.いまやっていることより 楽しいことを提案する

 

子どもは素直な生き物です。

 

やりたいことはやるし、やりたくないことはやらない。

 

つまりメリット・デメリットで動いています。

 

そのため、いまやっている楽しいことをやめる意味がわかりません。(わかっているかもしれないけど、相当なエネルギーが必要です)

 

ならば、切り替える先の行動を、子どもにとって楽しいことにしてしまえばいいのです!(←簡単に言うな!)

 

例えば、おもちゃでの遊びやテレビを止められずにお風呂にいけない場合。

 

わが家の誘導のレパートリーは以下の通りです。

・食紅で作った色水遊び

 (色と色を混ぜるのが実験みたいで楽しそうです。知育にもなる。)

 

・食紅で作った色水を製氷機で凍らして、氷をお湯で溶かす遊び

 (「どちが先に溶けるかな~」と勝負風にしても盛り上がります)

 

・小さいフィギュアを凍らして、救助遊び

 (「アンパンマンが凍らされた!早く助けてあげて!」と本人のヒーロー心をくすぐるのがポイントです)

 

などを提案すると子どもは進んでお風呂に行きます。

 

最近では、100円ショップでもバスボム(ボールをお湯に入れると中からおもちゃが出てくる商品)が買えるそうで、最終兵器としてはありかもしれません。(出費は覚悟の上で)

 

 

4.いつもと違う伝え方をする

 

いつものように「お風呂入るよ!」と言われても、子どもにとっては雑音程度にしか聞こえてないかもしれません。

 

そんなときは、「社長!お風呂に入りましょうよー」と呼び方や言い方を変えてみるのも一つ。

 

または、アレクサに言ってもらいましょう。

 

アレクサにはリマインダー機能があり「ぽーん、お風呂に入る時間です」と設定した時間に言ってくれます。

 

乱用はできませんが、はじめてだと「ん?」と動きを止める可能性が高いです。

 

そのタイミングがチャンスです。

 

非日常を毎日作り出すのは至難の業ですが、家庭ごとに取り入れられる方法が何かあるはずです。

 

 

  まとめ

 

大前提として、自我が芽生えた子どもの行動の切り替えを誘導するのは、簡単なことではありません。

 

お母さん、お父さん、本当に毎日ご苦労様です。

 

どんなときも使える魔法の声かけ、誘導はありません!が、親の持ち札(技)が多いと、その分うまくいく可能性は高まります。

 

お子さんの、好きなもの、特性に合わせてあの手この手を試していきましょう。

 

気づいたころにはお子さんは成長していて、今より楽になっているはずです。