私が転職を考えたのは、男性社会での仕事の厳しさもあったけど
もっと自分にあった仕事があるかもしれないと考えたことと
自分の生き方や人生を変えたいと思ったから、子供の成長と就職もあり
少しはゆとりの生活ができ始めていたこともあった。離婚して、しばらく
母に助けてもらったこともあったので、母が病気をきっかけに介護が必要
となり、施設に入ることになった(姉兄たちとの協議で)
私が引き取るという手段もあったが、兄が長男の立場でできないという
選択で、3人で決めた結果だった。その頃は事務職だったので、休みの
日には母の施設に面会に行っていた。なぜか申し訳なさと何かしたいと
おもって通っていた。そんな時、母が食堂で、男性の介護職員に食事
介助をしてもらっている光景を目にした。物腰の柔らかい声掛けとスローな
食事のやり取りを見たとき、こんな職場を見たことがなくて、営業の世界で
見た男性たちとは180度違う・・・こんな世界があったのだ。地味で大変な
仕事だが、ここには人間の血の通った世界観がある。なぜかその光景に
やすらぎと安心感を得た気がした。この仕事なら私にもできるかもしれない。
人のお世話が好きかもしれない。そんな気持ちで、家に帰り、近所の知人が
施設で働いている娘がいることを思い出し、相談してみた。
その後、「介護職員基礎研修」を受講し無事ヘルパー1級の資格を得た。
半年間、講習に通い、その中で仲間もできた。また新しい世界に飛び込んだ。
・・・ つづく