夜中に5分おきに
トイレに行くから
起こしてほしいと母に
起こされた
このころ、母は、
支えがないと立つ事も
歩くこともできなかった
(その後に引っ越した
グループホームでは、
歩いたりしていたけどね)
5分おきに起こされた私
とうとうギブアップ
してしまった。
ケアマネに相談し、
いくつかの施設に
ショートステイを頼んだ。
しかし、どの施設も、
問題行動があるからと
ショートステイを取り消され
引き取りに行くしかなかった。
最長で2泊3日
週の半分は、
ショートステイ
残り半分以上が
ケアホームに戻る生活。
300人待ちの特老があくまで、
この方法で行きましょうと、
ケアマネから勧められていた
しかし、
ケアホームのある特老での
ショートステイで
精神異常行動がひどいからと
強い安定剤を処方された。
面会先の母を見て、
愕然とした。
今にもズリ落ちそうな姿勢で
車椅子に座る母
足も足置き台に乗せずに、
ダラリと前に出している
顔をのぞくと、
半目をあけて、
よだれを垂らしていた。
こんな母を見るのは、
初めてだった。
看護師から
今までの薬では、
効かないから、
液体の安定剤に変えました。
わざわざ、私が
病院に行って
もらってきましたから
と説明があった。
その場は、
ご迷惑おかけしました。
ありがとうございます。
と応えたが、
なんだか腑に落ちない。
しばらくすると、
ケアホームの事務長から、
もっと歩けたり、
普通の生活ができればいいが、
このままでは、
ここでの生活は難しい。
一旦、
リハビリ訓練のできる
施設に変わって、
よくなったら、
また、戻ってくるとか
どうですか?
と言われた。
遠回しに出て行けと
言う事だと理解した。
看護師に薬漬けにされた後、
事務長には出て行けと言われ、
辛かった。
最初、
迷惑をかけて申し訳ないと
思っていたが、
だんだん怒りが
こみ上げてきた。
私は、
何を遠慮していたのだろう。
ちゃんと、
入所費も払っているのに、
私の希望は
もう一度母の笑顔がみたい。
それだけだった
ここにいたら、
私の希望は望めない。
母のために、
私のために、
この施設から出ていこう!
そう思った日の夕方、
見学に行ったのが、
グループホーム
楽しい家だった。
帰りたいとウロウロして、
皆さんに迷惑をかけます。
こんな母でも入所できますか?
と、
当時の施設長さんに尋ねた。
あらっ、
大丈夫ですよ。
帰りたいなんて普通の事ですよ。誰でも知らないところは不安でしょ。普通ですよ。
と優しく答えてくれた
母に、
悪い、迷惑かける、特別な、
とレッテルをかってに
つけてしまっていた私に、
普通だよと
言う言葉に涙が溢れた。
母は、普通だったのだと。
施設長のあたたかい言葉は、
その後も続いた。
自分の安心する場所が必要
毎日同じスタッフ
同じ仲間と生活するうちに、
ここが、安心する場所
となるから
2.3日で慣れるひと、
一年ぐらいかかる人、
人によってかかる日数は
ちがうけど、大丈夫ですよ。
優しい笑顔で話してくれた。
もう、ここしかないと、
主人に相談もせず、
申し込んだ。
憎いと思った事務長だったが、
今となっては、
あのとき、あんな風に言ってもらってよかったとおもう。
母は、楽しい家に入所して、
与えられていた薬も減った。
3日後には、笑顔がもどった。
ただ、帰りたいは、
口癖のように言っていた。
楽しい家では、
当たり前のこと。
母の帰りたい気持ちを
スタッフ皆が認めてくれる。
否定するのではなく
ただ、ただ、
心に寄り添ってくれる
母は、やっと
安心できる
終のすみかを
見つけたのだった