第2節 次手 | こばごうのコレ切ってアレ食って

こばごうのコレ切ってアレ食って

小林剛による天鳳名人戦自戦記など

昨今の麻雀戦術は、ネットの普及もあり、飛躍的に進歩している。


特に以前と変わったのが、、シャンテン数が進む枚数をしっかり数え、

愚形でもいいから先制リーチを目指すことと、

少しでもアガリに近づくと見るや、かなり遠いところからでも仕掛けて

いくことであろうか。



それに対し、90年代前半に流行った「次手」という考え方があった。


これは、誰もがわかる当たり前の素直な打牌ではなく、敢えて違う牌を

切って、よりよい結果を求めるという考え方だった。


第2節からは、そんな選択を2つ紹介したい。


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この手牌で、上家からこばごうのコレ切ってアレ食って が出たところ。
素直にアガリに向かうなら、こばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って でチーしてこばごうのコレ切ってアレ食って 切りだ。

マンズをタンヤオ確定の2メンツに固定するのが普通だろう。


だが、それをわかっていながらあえてこばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って で鳴いてみた。

確かにこばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って を残せばそこで1メンツは確定するが、この部分が

急所になって困ることも多く、アガリ率がそれほど高くなるとは思えない。

しかもその場合は大抵、融通がきかない危険な牌姿になっている。


それに対してカンチャンで鳴いた場合は、後々切りづらくなる赤とドラを使い切り、

場合によっては、こばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って を切っているうちに手牌が変化して

こばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って が出て行く展開にも対応できる。


アガりやすさは多少落ちるかもしれないが、かなり安全な牌姿になっているのだ。



結果は、以下の状況でリーチがかかり、安全にオリ切ることができた。

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ちなみに私が仕掛けた同巡、上家の(≧▽≦)は7巡目にして受けに回っている。

恐ろしい手堅さだが、赤とドラを見せて最低3翻をアピールしてしまったために

予想外の効果をもたらしたということか。



続いてこの手牌。

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普通はこばごうのコレ切ってアレ食って 切り。

むしろそれしかないように思えるが、あえてこばごうのコレ切ってアレ食って を切ってみた。
この手の弱みは、ドラ筋のこばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って と、タンヤオを消すこばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って という
二度受けの部分だろう。


一刻も早くこの弱点を処理し、マンズかソーズで強い両面を作りたいという思いから

マンズだけではなくツモこばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って にも対応できるようにしたのだ。


次巡こばごうのコレ切ってアレ食って をツモり、こんな手牌に。
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さっきまでの余計な部分がなくなり、将来性のあるすっきりした手に

なっているではないか!来賀さんがその昔

『手牌13枚を埋めるだけの両面ターツ』と表現していたなあ。


結果はこばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って とツモってこばごうのコレ切ってアレ食って での出アガリ。

どちらにしても同じ最終形になっていたようだが、考えながらできた1局だった。



2節終了時。


1   157.0  19.63   8  4/ 2/ 1/ 1 1.88 Ⓟ小林剛
2    59.0   7.38   8  2/ 2/ 3/ 1 2.38 Ⓟ須田良規
3    56.0   7.00   8  1/ 4/ 3/ 0 2.25 Ⓢ福地誠
4    23.0   2.88   8  1/ 4/ 1/ 2 2.50 Ⓟ多井隆晴
5    15.0   1.88   8  3/ 1/ 2/ 2 2.38 (≧▽≦)
6   -11.0  -1.37   8  3/ 0/ 3/ 2 2.50 Ⓟ石橋伸洋
7  -137.0 -17.12   8  1/ 2/ 1/ 4 3.00 ASAPIN
8  -162.0 -20.25   8  1/ 1/ 2/ 4 3.13 Ⓟ鈴木たろう