東京電力福島第一原発を視察
小林鷹之です。
通常国会が終わりましたが、年末にかけて来年度予算編成や税制改正で仕事漬けの毎日が続く見込みです。
今日は、自民党新人議員有志で東京電力福島第一原子力発電所を訪問してまいりました。
いわき駅から原発へのアクセスの拠点であるJビレッジへの道すがら、帰還困難区域を通ります。
人が住んでいないし、当該区域の除染はまだ進んでおりませんから当たり前なのですが、半年程前に目にした時からその光景は何も変わっておりません。いまだ有事が続いています。
Jビレッジで現状や課題について説明を受けた後、出発。
故吉田元所長が陣頭指揮を執り続けた免震重要棟、汚染水が漏れた貯水タンク、乾式キャスク保管場所、現在使用済み燃料を共用プールに移動中の4号機など、敷地内を視察いたしました。
敷地内では、毎日約4,000人の関係者の方々が現場で事故の収束に当たられています。特に、高線量で肉体的に負担のかかる仕事については、長時間勤務は難しいため人手が必要なわけですが、その人繰りに苦労しているようにも見えました。
また、作業に当たられている方の中には、被災された地元の方も多く含まれている中で、復興にかける思いを現場で強く感じました。
廃炉、除染、賠償など様々な問題がございます。
解決には多くの困難が伴う中で、その鬱憤のはけ口、スケープゴートを見つけ、これ見よがしにバッシングする一部メディアもありますが、政治はそうした無責任な姿勢とは一線を画さなければなりません。
冷静に問題を見極め、解決策を提示し実行すること、特に、現場で必死に作業に当たられている方々や被災者の方々の背中と心を支える政策を進めていくことを改めて肝に銘じました。
ネルソン・マンデラ 南アフリカ元大統領の逝去
こんばんは。
小林鷹之です。
今日は臨時国会最終日ですが、国会内は荒れ模様です。
現在夜の7時ですが、これから野党による内閣不信任案が提出されるということで、先が読めない状況。
地元と東京の夜の会合をすべてキャンセルし、議員会館で待機しています。
日本国内では国会の動きを巡る報道が喧しいですが、今、世界のメディアが報じているのは、今朝入ってきた南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領がご逝去されたニュース。
27年間投獄されながらも、反アパルトヘイトの闘士として、自らの信念と正義を貫かれた偉人です。
マンデラ元大統領と言えば、今から4年ほど前に『Invictus』
(邦題:負けざる者たち)という映画を見ました。
舞台は、1990年代前半の南アフリカ。
アパルトヘイトの撤廃直後で、大統領選において初めて全人種が参加する投票が実施され、ネルソン・マンデラ大統領が誕生。
依然として人種間の溝が根強く残る中、国内で開催されたラグビーワールドカップにおいて、徐々に民族間の壁が融解し、皆が国民として団結していく模様を、同大統領とフランソワ・ピナール・ラグビー南ア代表主将との交流を通じて描いたものです。
リーダーとは何か。
リーダーシップとは何か。
深く考えさせられた作品でした。
大統領がフランソワに対して、一通のポエム(詩)を手渡すシーンがあります。
19世紀後半、イギリスの有名な詩人、パトリック・ヘンリーが詠んだInvictusという詩です。
その一節。
I am the master of my fate.(私は私自身の運命の主人である)
I am the captain of my soul.(私は私自身の魂の指揮官である)
情熱や信念を心に抱き続けている限り、道は切り拓ける。
意志あるところに道はある、そんな言葉と同義に思えました。
そんなマンデラ元大統領の言葉の中で、次の二つの言葉が印象的です。
「監獄で27年も過ごせば人生は無駄になったと人は言うかもしれない。だが政治家にとって最も重要なことは、自分の人生をかけた理念がまだ生きている否か、その理念が最後には勝利するか否かである。」
「生まれながらにして肌の色、出身、宗教を理由に他人を憎む人は誰もいない。憎しみは後から学ぶものであり、もし憎しみを学ぶことができるなら、愛することも教えられるはずだ。愛はその反対の感情よりも、人間の心にとって自然になじむものだから」
心からお悔やみ申し上げます。
中国による防空識別圏設定、法人税の実効税率引き下げについて
こんにちは。
小林鷹之です。
ようやく議員会館に戻ってきて一息。
早朝から会議や雑誌のインタビューなどが続いていました。
今日は国会前で特定秘密保護法案の採決に反対している方々によるデモが朝から続いています。これから本会議に上程されるということで国会付近から離れることができません。
今朝は、駅頭活動ではなく、朝7時30分から党本部にて外交・国防合同部会。
議題は、中国による防空識別圏の設定について。
機微に触れる話なので内容には触れませんが、私からは、
「自衛隊法84条に領空侵犯措置(スクランブル)が規定されているが、同法7章に規定される自衛隊の権限等には84条に該当する具体的な武器使用権限の規定が無いことは、緊急事態が生じた場合の現場を想定すると問題なのではないか」
と指摘しました。
これは国家として迅速かつ毅然とした対応が必要であると考えています。
また、先ほど出席した党税制調査会では法人課税について議論。
世界的に高いと言われている我が国の法人税の実効税率。
企業の国際競争力強化の観点からも速やかに引き下げるべきだとの意見が多かった気がします。
そうした中で私の発言は少しニュアンスが異なっていたかもしれません。
私としては、法人税の実効税率は下げていく流れにあると考えていますが、一方で、この税率だけを前のめりに引き下げることについてはやや拙速だとも考えています。
確かに、高い法人税率は我が国の企業の足かせの一つになっているのは事実です。しかし、税率を引き下げるだけで、企業の海外逃避が止まるのか、或いは、海外企業が日本にやってくるのかと言えば、私は少し懐疑的です。
1%につき4,000億円の減収となるとされている法人税率をどうせ引き下げるのであれば、硬直化した労働市場の改革を含め、企業活動に係る事業コストを下げていくための様々な規制を改革や、英語でビジネスを行う環境整備などをパッケージとして提示し、国際社会に対して日本が本気で『企業が世界で一番活動しやすい国』に脱皮しようとしている強いメッセージを発していく必要があると考えます。
そして、その際には、業界・団体の利害も絡み煩雑化している租税特別措置についてもしっかりと整理し、課税ベースの拡大に努めていく必要があると思います。
色々と意見はあると思います。
これからも党内の会合を通じて、建設的な議論に努めてまいります。