【小林たかゆきメールマガジンVol. 8】 地域主権について | 小林鷹之 オフィシャルブログ Powered by Ameba

【小林たかゆきメールマガジンVol. 8】 地域主権について


みなさん、こんにちは。

自民党千葉二区支部長の小林たかゆきです。


東日本大震災から間もなく1年が経過しようとしています。

まずは、東北地方の被災地の方々が、この長く厳しい冬の寒さに耐えてこられたことに心から敬意を表します。

また、この一年間は、日本人の「絆」の力が感じられる1年でしたが、がれき処理や除染を含め、復旧・復興へ向けた道のりはまだ緒についたばかりです。加えて、余震が続いています。今後数年以内に、首都直下型の巨大地震が生じてもおかしくないとされる状況にあって、新たな災害への備えはまだ十分とは言えません。例えば、私の選挙区においても、今回液状化により大きな被害を受けました習志野市では、仮に首都直下型巨大地震が発生すれば、更なる液状化はもとより、津波による被害も想定される中で、住民の方々は不安を抱えながら日々を過ごされています。市内を流れる3本の川に水門が設置されていないこと、市内を横断する京葉道路(花輪IC~幕張IC)は既に開通から約45年が経過しており、仮に崩落した場合、沿岸部から内陸への通路が遮断されること等、命を守るためにハード・ソフト両面のインフラ整備が喫緊の課題です。政局が政策に優先される事態は断じて許されません。

野田総理と谷垣総裁が密会したとかしないとか、そんなことよりも大切なのは、復旧・復興のために、何をすべきか、あるいは、何をすべきでないのかをしっかりと決めて、物事を前へ進めることです。


さて、最近は大阪の橋下市長による大阪都構想が話題になっていますね。今回は、「地域主権」というテーマについて私のスタンスを述べさせて頂きます。


私は、これまでの中央集権型の行政システムを改め、国から地方へ権限や財源を大幅に移譲していく流れを支持しています。それも国と地方とが上下関係にある中での単なる「地方分権」ではなく、地方が主導権を持って、それぞれの特色を活かした地域社会を創っていけるように、国と地方のあり方を大きく転換する必要があると考えます。そのために、いわゆる道州制の実現に向けた取り組みを推進していくべきとの立場です。


資源に乏しい、小さな島国が、世界の経済大国へと駆け上がってきた右肩上がりの時代には、権限や財源を国に集中させ、国が決めたルールに各自治体が従うやり方は効率的でした。結果として、国内外のヒト、カネ、モノ、そして情報が東京に集中し、富が生み出され、それが地方へと再分配されていくシステムが生まれました。

しかし、時代は変わりました。バブル崩壊後の長引くデフレ不況の下で、少子高齢化の進展そして人口減少が現実のものとなり、経済全体のパイが縮小しています。


私の地元の八千代市、習志野市、千葉市花見川区は東京から電車で30分~1時間の距離にある、いわゆるベッドタウンです。このような地域においても、高齢化は着実に進み、若者の姿が少なくなっています。また、駅前商店街の中にはシャッター街と化しているものも少なくありません。お隣の韓国や中国の勢いとは雲泥の差です。


日本が元気になるためには地域社会が元気にならなければなりません。しかしその地域社会の潜在能力を引き出すにあたり、国が決めたルールを地方に押し付ける従来型のシステムが大きな足かせとなっています。今こそ、国と地方の関係、すなわち国家のガバナンス(統治形態)も変えていく必要があると考えます。そのキーワードは、地方の「自立」そして「切磋琢磨」。


まず、「自立」について。

従来のように、国が地方に一律のルールを押し付けるのではなく、地方がその実情に合わせて主体的に考え、柔軟に動ける裁量ある行政システムへと変えていく必要があります。

「地方にできることは地方へ」。

この原則に従い、国は、外交・安全保障など、地方にはできないことに特化すべきです。そうすれば国の出先機関の多くが不要になり、行政のスリム化も実現します。介護や保育のように、地域ごとに事情が異なるものについては、規制のあり方を含め、基礎的自治体(市町村)が責任を持つべきです。

同時に、税財源も地方へと大幅に移譲すべきです。地方に相応の課税自主権が付与されることによってはじめて柔軟な地方行政が可能になります。その代わり、国への依存体質も改めなければなりません。たとえば、これまで地方の主な収入源であり、かつ、地方間の不均衡是正の役割を担ってきた地方交付税については、各地方が自力で税収を稼ぐ意欲を阻害しないように、必要最小限に留めるべきです。その結果、地方間で多少の格差が生じても甘受する覚悟が必要です。


二つ目のキーワードは「切磋琢磨」。

人口減少の下で内需に陰りが見える中で、地域の特色を活かしながら、いかにして海外の活力を取り込むかがこの国に課された大きな課題です。そのためにも、現行の都道府県の枠組みを再編し、より広域の経済圏として機能し得る10程度の道州制へと移行すべきです。例えば、関西のGDP(約80兆円)は韓国やメキシコに匹敵する規模ですし、九州のGDP(約50兆円)はベルギーやスイスよりも多いのです。それだけの経済規模があれば、自主的に税制や規制を構築することによって、海外の企業や研究機関の誘致を含め、多くのヒト、モノ、カネ、そして情報を各地域に呼び込むことが可能になります。地域主体で産業基盤の構築が可能になれば、各地域間での差別化や切磋琢磨が生まれ、それこそ地域の持てる潜在能力をダイナミックに発揮できる日本が生まれるのではないでしょうか。

日本企業の本社機能が集中する首都東京において、直下型地震の可能性も指摘される中、リスク分散の効果も期待できます。


もちろん、このような改革は一朝一夕にできるものではありませんが、地域社会に根差した国造りのために邁進してまいります。