アスベスト肺 最近何かと話題になってるアスベスト・・・。今年の受験(医師国家試験にも医学部大学受験にも)に最も取り上げられやすそうなテーマだと思うんでここでちょこっと書いときます。
 
 アスベスト肺(石綿肺);珪酸塩からなる針状鉱物結晶の石綿線維を含む粉じん吸入で起こる肺の不可逆性進行性びまん性線維症。採鉱、石綿製造、ボイラー製造、配管工、建物破壊、耐火物製造、ブレーキ・クラッチ製造、内装業、電気工などによる環境汚染や石綿暴露のある夫の衣装を扱った主婦が石綿肺となる間接暴露によるケースもある。胸部X線写真で下肺、横隔膜に胸膜肥厚斑と石灰化が特徴で、添付の写真はその例です。
 胸膜中皮腫は20年前の短期間(1~2年)暴露で発生が見られるので、直接の作業だけでなく環境による低濃度暴露にも注意する必要がある。

 胸膜悪性中皮腫;アスベストが関与し、中年以後の男性に多い。
症状;腫瘍が大きくなると胸痛、咳、胸部圧迫感、息切れが現れる。(胸膜摩擦音が見られることは稀)
検査;確定診断は胸膜生検による。しかし、診断率は20~30%程度なので、胸腔鏡や開胸による診断が必要になる。
治療;外科治療のみ(化学療法の感受性は低い)
予後;不良(50%が1年以内に死亡する)

 こんな感じかなと思います。医学部受験だと、こういった状況についてどのように考えるかということを聞かれることが多いと思うので、自分なりの意見をまとめるといいかなと思います。