2021年初、地元のKスポーツクラブの支店が閉店し、多数の会員が路頭に迷った。
移籍した先のジムでは、特に先住民の醜い層による、マダムたちの迫害は酷いものだった。
女がよくやる、口許に手を当ててコソコソやられ、確保した立ち位置のペットボトルや小物入れを、後ろに移動される、横入りされる、お小言言われる、など、とても美の象徴と言える、女神のはずの女が、醜い生き物に見えてしまった、数年であった。
幸い、男の私は特段そのような被害には遇わなかった。中でも移住者に開放的な先住民も居て、彼女たちのお陰で、すんなり馴染むことができた。
むしろ男性メンバーはしばらく私を警戒していた。守旧派のマダムたちを忖度していたのかもしれない。
私は常に、「難民と呼ばれて。はやく人間として扱われたい」と笑い飛ばした。
大切なのはスタジオでの振る舞い、ダンスの技量である。先住民はKスポーツクラブを目の敵にしていて、
ご高齢向けの時代遅れのエアロビクスファンの集まり、と、したいのであった。女というのは何故、差別化した物言いが多いのか、未だに理解できない。
スタジオの外で次のレッスンを待つ列に並んでいると、
Kスポーツクラブから移民としてエアロビクスしている層を、口許に手を当ててコソコソと笑いながら、
「あっちでやってたわりに、下手ね」
と言っている。
「あのふたり、危なくって、この間、言ってやったのよ。危ないから、後ろでやれって」
私は黙ってそれを聴いて過ごし決意した。
いつか、そんな醜い女たちがそんなKスポーツクラブではなかった、と、心改めるまで。
冷蔵庫にある野菜を少量多品種で混ぜいれる。
超大人気のエアロビクスのクラスで。2年半ほど前。2列目に位置取りしたところ、コソコソやっている。が、見下しているのでむしろ可笑しいくらいだ。口臭が臭いから口許に手を当ててるのだろう、と想えばむしろ、不憫ですらある。
あるメンバーが欠席で、コーチの真横の横綱席が空いていた。そこに、今日はどうぞ、と譲ってくださった。お手並み拝見、ということか。急に醜いと想っていた誤解?が消え、なんと美しい心、譲り合う精神のひとびとか、と、思い直した瞬間であった。
それでも醜いのがひとり居て「緊張するでしょ?」と、意地の悪い眉間の皺でゲジゲジと笑った。
私は醜い女も私がサクセスを手に入れる道具、としか考えないので、こう即座に返した。
「キンチョウ?いや、武者震いしますよ」
カッケーーーーー!!!!おれ。
ほとんどミスもなく鮮やかに踊りきったのは、言うまでもない。
日本一優れたコーチ陣に指導を受けてきた私だ。私はKへの矜持において、みっともないエアロビクスはできなかった。ミスれば「やっぱりKスポーツクラブは、ご高齢向け時代遅れの初級エアロビクス専門店」と、笑われるだけだ。
困ったのは、Kスポーツクラブから移住してきた、男性である。
Kではハイタッチおじさんと笑い者だった商社マン。外国語自慢?でマダムたち、コーチに話しかけまくる、阿呆だ。毎回Wと描いたラガーシャツで来館し、失笑を買っている。私の仲の良い古参の奥さんを、エレベーターで飲みに誘って完全に×を食らった。
もうひとりは、サングラスにチェーンをじゃらじゃらぶら下げてスタッフに上から目線でぶちまける阿呆。
それから平日に女連れで、土日はまた違うの連れてきており、噂話の格好のネタを提供している阿呆。
彼らのせいでKはやはり、格下で下品で安物、という数少なくなった守旧派の格好の批判のネタになっている。
その守旧派も今や風前の灯で、消滅するの日は近い。元どこであれ、ひとを差別するのはよろしくない。
本来美しいはずの顔がヒソヒソ、コソコソやると、反吐が出るほど醜いものである、と知れば、世間はもっと美しくなるだろう。
ぜひ、学んで欲しい。
Kスポーツクラブの経営陣は勉強しなさい。新興のスポーツクラブは、どんどん新しいレッスンを産み出している。それをスタッフに任せる経営陣、若く優れている。ダンスエアロビクス!ズンバ!KPopダンス!ソウルダンス!
さぁ、ぜひ、入会を!美しい心のメンバーがお待ちしています。