霞むテーブルの向こう岸 | kobacabana 3.0

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音楽、食、酒、街、男と女・・・・
日々に感じる雑感を
懸命にまとめています。

外食に出かけることが多い分、先々で、さまざまな人間模様が目に入ってくる。
 
自分自身がその店内にいるひとりなわけだが、
 
向き合う男女が共にうつむき、
 
ずっとスマホをいじっているのを見ると、悲しくなってくる。
 
会話こそがふたりを繋ぐ触媒なのに、
 
LINEへの返信や、-友達-のインスタの自慢ネタに目をやり、
 
ライバルのゲームのスコアをチェックしている。
 
目の前の心変わりを、直視すら、しない。
 
 
 

頼まなくても最近、濃い目である。温かいウーロン茶も出してくれるので、
割って量をかさ上げし、飲んでる(笑)お替わりすると、確実に酔いが、倍。
 
 
 
 
 
 
昼時の定食屋では、作業着来た男四人が、
会話もせずにマンガ本を読みながらムシャムシャやっている。
 
 
 
これは、これで、固有の理由によるものだ。
 
ユニフォームは同じでも、いつも同じメンツで組んで仕事していない場合、
 
初対面のチームで午前中動き、
 
監督から「昼飯行って」と告げられ連れ立って昼休み入るケースがある。
 
都内ならいいが、バダイ等奥地での現場となると、
 
この男たちがぞろぞろ入っていける店の選択肢は極めて、少ない。
 
ニツカポッカでイタリアレストランには入れるはずだが。
 
(新参者を徹底的に干す傾向にある)
 
濃く描かれた眉と、深い眉間の渓谷が、無言で追い出すことになるだろう。
 
 
だから、
 
この男たちは、昼休みが同時間帯というだけであって、
 
サラリーマンやマダムのように、ペチャクチャ喋る必要も義務もないから、
 
マンガを読みながら黙々と食べる、というのも、ある意味、知恵である。
 
 
黒胡椒、七味、辣油、お酢。お通しの豆腐に、これだけのトッピングをしちゃう。
無料のお通し。
 
 
 
 
年月を重ねるほどに、夫婦の会話は減っていく。
 
 
 
 
 
女は近くに仲間がたくさん居り、
 
男は気づくと友が居ない。
 
 
 
 
 
 
が、働く者たちの利点を無理矢理探し、挙げるならば、それは、
 
 
 
仕事を通じて、仕事抜きでも、一生付き合える友を得る可能性ができることだ。
 
 
普通は、
 
 
 
     いつも近くに居たから、
 
     同じクラスだったから、
 
     入学式のとき隣だったから、
 
 
 
と、至近で得た出遭いに依存しがちだ。
 
 
が、働く者たちには、センサーと努力によって、
 
無限大の接点があり、そして確率論からしても、
 
同好の人物、価値観や嗜好が合う優れた人物に出会えることが多い。
 
 
が、仕事がらみだからこそ、
 
なかなか素性、素行、嗜好を引き出せない。
 
そこは、努力とテクニックが必要である。
 
 
 
 
ジューシー・フワフワ。アマゾンのリコメンドではなく、この店の常連の爺さんが「美味いよ」と
教えてくれたから、注文した。この仕組みこそ、マーケティングである。
 
 
 
 
 
無趣味な男、友の居ない男ほど、ゴルフに依存する。
 
働く者には一日は短いが、
 
単身者の休日や隠居さんの一日は、呆れるほどに長い。
 
だから、18回も同じような作業をするゴルフは、
 
都合が、いい。一日がかり、だからである。
 
 
 
 
僕は、社会に出て、素晴らしい友、に出会えた。
 
会社に感謝、社会人に感謝、そして友を紹介してくれた、その方のセンスにも感謝である。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
その接着剤となってくれたのが、
 
酒、である。
 
互いを知り、そして、互いの距離感をそこで設定できる。
 
男同士であれば、胸襟を開けば、胸の内も分かり合えるし、
 
女性であれば、そのひとの陰影が見えてきたり、
 
泳ぐ目線の意味を知れる。
 
 
 
そして、音楽だ。
 
誰が歌っているんだろう、どういう意味なんだろう、
 
誰が演奏したり、制作しているのだろうか。
 
メンバーはどんな人間関係だったのだろうか。
 
商業音楽だからこそ、こうした様々なドラマや思惑や潮目が、
 
音にも出てしまうからだ。
 
今月のダンスの課題曲だから、と、その時だけ血走って聴くのでなく、
 
「今後、一生お付き合いしましょうね」と、その曲に愛情を持って対峙する人物が、
 
僕が親しくさせて頂いている、友たち、である。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
老夫婦が向き合って食事をしているのもよく見かける。
 
奥方は小綺麗にしていて、
 
旦那は冴えないカーディガンやチョッキ姿。
 
そして、会話がない。
 
地元に慣れない夫は目が泳ぎ、
 
妻は知人が来店しないか、適宜入り口をチェックしている。
 
若き店員は来店頻度高い妻側をもてなし、
 
財布は持つがレジまで立たない、愛想無き夫側は、
 
放っておく。
 
 
 
 
外食ばかりの生活にもうんざりはするが、
 
こうした哀しい人間観察ができる点は、
 
僕の浅い人間学の引き出し、となる。
 
 
 
そして、僕自身も、誰かの観察の対象になっており、
 
誰かの笑いのタネになっていることも、
 
百も承知、である。
 
 
 
 
 
※市内中華S。親切で丁寧で美味しくて安い。イラシャマセ~と
元気のいい夫婦もまだ若く、僕は一生付き合えると思うと、嬉しくてたまらない。
セレブゼロ。ザーマス系ランチ集団ゼロ。本質を知る、庶民だけの名店。