さて、円覚寺の2回目。

皆さんご存知かとは思いますが選佛場の横に


「空手に先手なし」
と、刻まれた石碑があります。
これが円覚寺に思い入れのある理由でして。

船越義珍という大正時代に沖縄から本土に
「唐手術」を伝えた本土空手の普及に功績の
あった人物を讃え建てられたのです。

私自身・・・
船越先生が本土で普及をした松濤館流空手を
子供の頃から学んだ者でして、流派の始祖の
先生に纏わる石碑があるので思い入れがある
ということなんです。


さて、タイトルにある唐手が空手になった
きっかけですが、昭和の初めの頃。
慶應大学唐手部が円覚寺にて参禅を始めた
のであります。

次第に「唐手を空手にかえてはどうか」と
考えを持ち始め、当時の円覚寺管長であった
古川尭道をはじめ船越先生も賛成したことで
急速に全国に広がったとされています。

その考えの端緒になったのは般若心経の

「色即是空 空即是色」
この8文字から来ていてその中から

「空」
この文字をとって「空手」と改めたとされて
いるのです。

石碑に刻まれている「空手に先手なし」の
文字は建立された1966年当時の円覚寺管長
である朝比奈宗源の書によるものです。

因みに、朝比奈宗源は
「水戸黄門」「大岡越前」などの時代劇の
題字を手がけたことでも知られています。

もう一つ因みに・・・。
毎年4月29日に松濤祭と称して松濤同門会
と呼ばれる船越義珍が指導した大学団体が
集まり空手の形演武などが行われる催しも
ありますので、この日に合わせてお参りを
されてみてもいいかもしれませんね。

さて、お参りに戻りますかね。
各所お参りをし最後に十王堂(桂昌庵)を
お参りして終了です。


桂昌庵に安置されているのは閻魔を中心と
する十王像。弓道場もある塔頭です。

ということで、次回のお参りは晴れた日に
お参りをしたいもので・・・。

今回はこのあたりでお話を締めようかと。

それでは。

あっ!
お参り前に朱印所でお願いした御朱印帳は
くれぐれもお忘れなく・・・。