あの日わたしが大泣きしたのは
たぶん
子どもの立場が当時のわたしと重なったから
当時のわたしが
「大人にはなにもわかってもらえない」と
泣いたから
大昔の心の傷がぜんぜん塞がっていなかったことにびっくりしたから

悲しい思いをしているのは
悲しい思いをしている人のせいなのだろうか

悪気がなければ何をしても許されるのだろうか

そんな人が大人になって大丈夫なのだろうか

友達が悲しい思いをしているときに
見て見ぬふりをするのは
本当に正しいことなのだろうか

こういう心の傷は
絶対に塞がらないまま
前に進まなきゃいけないっていうことを

知っているのだろうか

それでも
前に進まなきゃいけないから
瘡蓋にして
大丈夫だよって何度も何度も自分に言い聞かせながら
先へ進まなきゃならない

でもそのおかげで
人の痛みが悲しさが
少しだけ分かる人間になったと思う

自分の周りだけは
優しい人たちで溢れたらいいと思う
だからわたしも精一杯の愛と優しさを
仲間に送りたいんだ