私がプロレスにハマるきっかけは誰あろう武藤敬司選手でありました。
本当ならタイガーマスクに熱狂していてもおかしくない世代なんですが、子供の頃はそこまでプロレスには興味がなく、サブカルにかぶれていた20才前後の頃にようやくその禍々しい魅力に気づいたってのが真相です。
そう、あの伝説の95年10月9日。
高田延彦を足4の字固めで葬り去ったあの試合のちょっとあと。
年が明けた96年1月4日の東京ドームで高田との再戦に敗れてベルトを落とした試合がプロレスファンになった瞬間でした。
でも一番好きな新日の選手は蝶野正洋だったりするんですが。
個人的な感想で恐縮ですが、今年の正月にやったグレート・ムタvsシンスケ・ナカムラ戦が今できる最高の“作品”だと感じてしまいました。
セミで清宮と拳王がとんでもないハイスパートな試合をやってたんですが、肉体の限界を超えた2人の試合の後にあのゆったりとしたムタの間で全部持って行ったのは流石だと感じました。
本来ムタと武藤の間に明確な差は無かったと武藤自身が語っていたのが興味深いところ。
日本でムタを求められた時にキャラが乖離して行ったと話してらっしゃいました。
今日の試合、どうするんでしょうねぇ?
武藤選手に代表される平成のプロレスを“ポップス”と評したライターさんが居たと思うんですが、武藤選手の試合を見ればとてもトラディショナルなスタイルを標榜しているのがお分かりいただけるかと思います。
今のコンディションを考えるとポップスどころか横ノリのロックンロールであり、去り行く背中に響くのはエリック・クラプトンが愛したような、いにしえより鳴り響くブルースそのものかもしれません。
当人同士がおっしゃっていた、引退試合は武藤vs蝶野が良いってのがずーっと心に引っかかってまして、私のようなファンは案外多いんやないでしょうか。
内藤哲也選手にとってはキャリアの中でも一番難しい試合になるのかもしれません。
う〜んそれでも生では見ぃへんねやろなぁ…。
