ちょうど一年前の今日、目覚めてすぐ目にした岩谷選手のツィートに、何があったのか訳が分からずTwitterを遡りました。


間も無く、有り得ない知らせに愕然としました。


世間ではStay Homeだとか定額給付金だとか言っていた頃だと思います。


程なくして、知らせを聞いてから1時間も経たないうちのハナシなんですが、木村花選手がフジテレビで放送されていた“テラスハウス”と云う番組の演出のせいでネットリンチの被害に遭っていたと云うことを知りました。


正直、テラスハウスにもネット上での誹謗中傷にも全く興味が無く、リングに上がる木村花選手の姿にしか注目していなかったので、テレビのつまらんリアリティショウの役割を間に受けて、リアルな出演者に汚い言葉を投げかけている状況が起きているなんて想像だにしておりませんでした。


そこからの報道のされ方、お母様である木村響子さんの苦悩と奮闘などは、ご存知の方も多かろうと思います。


正直ね。


メチャクチャ悔しい事があるんですよ。


もちろん中国から広まったCOVID-19さえ無ければ、もっと仲間の選手と試合やら練習やらで汗を流して誹謗中傷から少しは距離が取れたのかな?なんて事も悔しいんです。


一番悔しいのは、一人の前途ある女性が命を奪われる過程ばかりがフォーカスされて、木村花さんがこれだけ愛される人物だったと云う部分に着目されない事実です。


彼女を直接知る人はもちろん、Wrestle-1の試合に出ていた頃からテレビだけで見ていた私のような人間にまで愛された事実を、したり顔で語る偉そうな人々に知って欲しいわけです。

人間として、どこまでも優しく包容力のある木村花選手でなければ、散々叩かれて移籍して来たばかりの最も関わりたくない・最も面倒臭い案件である“ジュリア選手に抗争を仕掛ける役割”を引き受けたりは出来ないし、任せる事も出来ないでしょう。

先週、木村花選手の生涯最後の試合、2020年3月14日に行われたシンデレラトーナメント1回戦のvs岩谷麻優戦を久しぶりに見ていたんですが、武藤敬司選手が立ち上げたWrestle-1出身なだけあって、恵まれた体格から繰り出される技のダイナミックさや、岩谷選手のエゲツない攻撃を受け切る受け身の的確さ、何より無骨でガツガツした戦いぶりに、解説席のWWE殿堂者・獣神サンダーライガーさんですら“将来が楽しみ”と云う言葉を残してらっしゃいます。

結果は両者オーバーザトップロープによる失格と云うなんとも消化不良な、しかしながら今後の対戦が楽しみな結末だったんですが、現実にはこの続きは訪れなかったわけです。

会場ですら見たことのない、辺境の一ファンですらこれだけの喪失感に苛まれておる訳です。

彼女を知る方々の心中、お察し申し上げます。

日頃このブログをご覧いただいている閲覧者の皆様におかれましては、才能に恵まれた木村花と云う素晴らしい選手がこの世に存在したことを知っていただければ幸いです。

あらためて、故人の安らかな眠りをお祈り申し上げます。