集団的自衛権って、どう思いますか？？ その１

今、巷を騒がす集団的自衛権。これについて、どんなふうに思われますでしょうか。

英語では right of collective self-defenseとなり、、フランス語では droit de légitime défense collectiveとなるのだそうです。要するに、これは国際法上の認められた自衛権であるということ。具体的にいうと、アメリカの艦船などがどこかの国から不当な攻撃を受けた場合、友好国である日本の自衛隊が出張って行って、アメリカと協力して、その国をやっつけてしまいましょうというもの。もちろん、その逆の場合もしかり・・。

ということは、もしアメリカがどこかの国とケンカした場合、これまでなんとかお金だけでカンベンしてもらっていた日本も、それなりの軍備をもって、そのケンカに参加せざるを得ないということになって、これはヤバいだろうというのが、反対を唱える人たちの大まかなご意見となるワケです。

国際協力という観点からみれば、世界の中で日本だけがポツンと鎖国しているわけでもないので、これも致し方ないのではというご意見もあるものの、一方で、日本には世界に冠たる平和憲法というものがあって、その第二章第九条には明確に”戦争の放棄”を謳っているのであります。

集団的自衛権というものが国際法上の権利であったにせよ、日本には日本の憲法がある以上、それをそっくりそのまま、”ハイそうですか”となってしまっては、明らかに違憲となってしまうもの。あるいは、その可能性がすこぶる大きく、あくまでも日本人であるボクたちは日本の平和憲法に準ずるのだという立場に立てば、集団的自衛権などはやっぱり認められないとなるのです。

ただ、ここで一呼吸おいて、では、その日本国憲法とは、そもそもいかなるものなのかを考えてみる必要があるとも思うのです。というのも、憲法違反だという以上、その日本国憲法とは何なのか、どういうものなのか、という思索を避けて通るわけにはいきませんから。

第九条などに表現されている通り、平和に対する決意と精神までは、よく分かる日本の憲法。単に戦争を放棄するだけでなく、九条には”軍備と交戦権”まで否認するという立場を謳っております。

とすると、自衛隊はどうなるの？？　という方もおられるのでは・・。あれって、第九条で否認するところの軍備にならないのかなって思いませんか・・。なりますよね。しかしながら、日本だってどこかの国から攻められるかもしれませんし、その場合、やっぱり応戦せざるを得ないわけですから、それについては単独的自衛権として、必要最小限の武器などを使用し、専ら防衛のため、憲法上でも認めましょうとなっているのです。

ただし、今の憲法が認めるところは、そこまで。それ以上は、つまり国外に出張って行ってまで、自衛権という名の下の戦闘行為は認めていないのが現状。だから、集団的自衛権は違憲であるという立場を取る人が多いのです。さて、ではその日本の憲法とは、そもそもいかなるものか・・。前文にはつぎのような一節があります。

すなわち、”平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した”というもの。日本国を取り巻く国々の人たちはみんな平和を愛しており、その人たちは、また国々は、公正であり信義を重んじると謳っているワケです。ここまで見ると、でもそれってホントですか？？　とは思いませんか。

竹島問題や尖閣の問題、さらには北方領土の問題や拉致などなど、公正と信義に信頼しているだけで、ホントに解決の道が開かれるの？？　とは思いませんか。ハッキリ言って、ムリ！！

しかも、そうしたかなりアヤフヤなところでもって、”われらの安全と生存を保持”され、決意までされたのではなんとも心もとない限り。

そうは思いませんでしょうか。。。

次回は、憲法の問題について考えてみたいと思います。