シリーズ四作目で、最新作。

今週末が期限だが、まだ読めてないから延長するつもりだったが、予約が入っていて、延長できなくなり、急遽よむことに。

おなじみの前科も地の店主行介が一人で経営する喫茶店、珈琲屋。彼の幼なじみで、いまだに同じように接してくれる冬子と島本を常連にする店を訪れる人々のあれこれを描くシリーズ。

今回はまず出てくるのが、もとホテルマンで、今は河川敷に住み、リヤカーで段ボール集めをして暮らす米倉。野良犬のイルと暮らしはじめて、家族を得た米倉だが、嵐の夜にイルが流され行方不明となる第一編のひとり。近所で独り暮らしを始めた医大受験生を名乗る美少女も登場する。二人の結末が、最後の七編、ふたりで、呼応する構成になっている。

二編目では目にコンプレックスを感じる女子高生の悩みが、行介たちを翻弄する。

第三篇では、うつ病の若者がコンビニで女神に出会う。しかし、彼女もまたうつ病だったという話。

第四編はニートの三十になる息子にたいして絶縁を突きつける母親の話。

第五編は、夫の浮気を疑い、仕返しにと浮気を画策する妻だったが、実は夫は考え付かないことを考えていた、という話。

第六編は、仕事人間だった男がガンを宣告されたものの、家族に打ち明けられずぐだぐだする話。

最後の第七編で、謎の美少女の正体が明らかになる。そして死んだと思われていたイルが帰還するという感動的な締めくくり。

派手な事件もなく、少し退屈気味だが、読み終わるといいなあと思えてしまう。

下町やぶさか診療所シリーズ二作目。
前回のラストで、母親の愛人で、女子高生の娘を犯した男と対決した麻世。飛び込んだ大先生麟太郎ともつれたところに、出刃包丁で突っ込んだ母親は、愛人を刺して、警察に逮捕された。あのとき、母親が狙ったのは愛人か大先生が、それが気になる麻世。その答えは、今作のラストで明らかにはなる。
今作では他に、診療所で逢い引きしていた婿養子の男と女。女性が妊娠したときに、男はどんな態度を示すか?
老老介護の老夫婦の愛を描いた三編目。
ハングレ夫婦の夫はやくざになったものの潰しが聞かない昔風のやくざ。愛想をつかし、身ごもった娘と二人で屋台のおでんやをする妻。麻世に、腕相撲で負けた夫は、やくざから足を洗う決意をする。四編目。
施設で育った男が、後輩たちにランドセルを贈るために危険な金儲けをして、最後には命を落とす、五編目。
麟太郎とは幼馴染みの看板屋の章介。体の不調の原因は難病で、治療法がない病だった。手が動くうちにと完成させた愛する女性の肖像画。見せられた麟太郎は驚く。診療所のナースの老女八重子だった。診療所に勤めながら、正看護師になった彼女に惚れた、当時高校二年の章介。妊娠したが堕胎して、章介に別れを告げた八重子。互いに思いあいながら、結ばれぬまま終わる二人。難病に耐えられず、自殺した章介。
人情物語もいいもんだな。

なかなか読みごたえがあった。

国分寺市のとある住宅地で死体が見つかる。温泉旅行に出掛けて、三日ぶりに帰宅した老夫婦は、浴槽で死んでいる男を発見。見覚えがない。どうやらホームレスの空き巣らしい。入るために割った窓ガラスは補修され、食卓には食べたあとがあり、風呂に入るために脱いだ衣服はきちんとたたんであった。まさに礼儀正しい空き巣。

臨場した定年間近の刑事課長金本は、現状になにか見覚えがある。あとで思い出した。今は空き地の隣に30ねんくらい昔同じような家があり、そこで女性児童の殺人事件があり、いまだに未解決。気になる金本は、主任である女性刑事、夘月枝衣子に極秘に調べることを依頼する。

当時の家族の行方を調べたり、今回の現場の家族等を調べていくと、色々不審なことが明かになり、ついには署が現在捜査中の連続婦女暴行事件までつながり、他の犯罪までもが明らかになっていく。