富士山の麓にある樹海ににた神森の森林地域。そこで五歳のASDの男児、真人が行方不明になる。そばにいた母親から突然姿が消えた。なにかに興味を持つとそれだけに集中してしまう真人。
地元の警察や消防団が探してくれたものの、ようとして見つからず、不安を募らせていた母親。
一週間がたち、絶望視されていた真人が発見された。特別怪我もせず、異常もなく、元気そうな真人に、食べ物や飲み水、さらには夜の寒さはどうしたんだろう?
まともに受け答えができない真人に聞いてみても、くまさんにあったというばかり。
真人が戻り、安心したシングルマザーの母親、岬だが、世間は冷たい。ネットで彼女を非難、侮辱する投稿で盛り上がる。
なき夫の弟の冬也は、そんな岬たちのために、悪質な投稿者を探しだし、告訴しようと思う。
また真人が一週間、どのようにしていき延びたのか?それを明らかにしようと思った。
帰ってきてから真人が変わったこと、口にする言葉や見慣れない持ち物を手がかりに、誰に会い、何をしたかを明らかにしようとする。現地にも行き、調べる。
こうしてすべてが明らかになったとき、癒しが。
真人の失踪当時、数人の男女が神森に入り込んでいた。
ソロキャンプの様子を投稿するユーチューバーの拓馬。
別れを切り出された恋人を殺してしまい、遺体を埋めようと来た美那。
もとやくざの谷島は、フィリピン人の女性との間にできた娘が心臓病で、海外で移植手術を受けないと死ぬと知り、組の闇金1000万あまりを盗みだし、娘がいる仙台に向かう途中、組の追っ手に追われて、神森に迷い混む。
生徒からいじめを受け、自殺しようと神森に入り込み、首吊りに適した樹木を探していた中学教師の理実。
彼らとの邂逅のお陰で生き延びることができた真人。
それを明らかにできたとき、人生っと捨てたものではないと感じさせてくれる。なかなかよかった。