少し不思議な童話みたいな物語。
若くしてなくなった父親、その後医師となり、海外で活躍した母親を持つ主人公は、祖父母の営む喫茶店で育った。地元の印刷会社に勤め、祖父母を看取った独身五十代の律子。以前近所にいた占い師が別れるときにくれた魔法のランプ。
死期を迎えた律子は、ランプの魔神の猫により、魔法使いとなる。愛猫のメロディとともに、魔法のバスに乗り、世界を旅をして、いろんな人や妖怪や神様と出会い、美味しい料理を魔法で作り、振る舞う不思議カフェを営む。
漫画家志望の若い女性は幼い頃に祖母の家で好きだった雛人形と再会する。
今は廃校となった山奥の学校。そこにいた狸の妖怪や学校備品の妖怪たちに慰められた、都会から来た寂しい男児。忘れかけていた過去の友人に会うために、教師となった若者は、廃校にやって来る。折しも桜が満開。みんなに花見弁当を振る舞う不思議カフェ。
戦争で国を追われ、とある町の橋のたもとでなくなった姫様と従者の若者。死後神様となり、神社にまつられ、町を守ってきた。太平洋戦争でなくなった少女と猫たち。彼らのために女神が作った神社内の幻の庭。そんな彼らをもてなす不思議カフェ。
あとがきによれば、たそがれ堂のような不思議カフェによりは、主人公の律子に焦点を当てた物語とか。
地道に生きてきた平凡な女性が、人生の終盤に奇跡に出会う。よい魔法使いとなり、出会った人々を救う力を得る。世界の片隅のささや かな幸せをもたらす、小さな魔法。