教場シリーズ第四作。
昨日読み終えた「新・教場」の前作となる。ラストに、警察学校に行く辞令がでている。
てっきり、今作で風間が片眼を失った事件が描かれていると思ったが、違っていた。第一作や二作を読んだのはずいぶん前だから、覚えていないが、もしかしたら、第一作から風間は片眼がなかったのかな?
刑事指導官、風間公親。
県警捜査一課の刑事として、数々の犯罪を解決してきた風間は、刑事指導官として、若い刑事に捜査の指導を行う。これはと思えた若い刑事を県警本部に呼び寄せ、風間が相棒として、実際の犯罪の捜査を任せ、犯人逮捕まで、ヒントを言うだけで、若い刑事が自ら考えて、逮捕させるまでを見守る。
今作では、到叙ミステリーのように、最初に犯行が行われるまでを、犯人の目を通して描き、そのあとに若手刑事が風間の叱咤とヒントから、犯罪を自ら解決に向かうまでが描かれる。
全体を通して、風間の眼を奪った犯罪者、千枚通しの犯行は継続中で、話には出てくるが、それは語られない。
交通事故で眼前で母親を失くした少女は、母の再婚相手に育てられていた。事故以来失語症になり、たまに喘息のような喉から音が出るのを気にしていた。父親は加害者が罪を認めるように迫っていたが、相手が認めないので殺害を決意。自ら作った偽造拳銃で犯行。
彼の罪を暴いた決めては、なんと娘の喉の異音だった。
ゼミ論を却下された大学生は、就職も内定していたので、教授の自宅まで行き、抗議するも認められず、かっとして殺してしまう。教授の仕掛けた罠に気づかなかったあわれな大学生。
恋人の自殺のきっかけになった窃盗犯を、通り魔を装って殺そうとした女性。犯罪には思いもかけないことが起きる。刺殺して立ち去る予定が、無駄な後始末をしたことで墓穴を掘った女。
出産間近な女子大生は、堕胎しろといって、海外にいった芸術家が、帰国したら子供を寄越せと言い出し、子供をとられたくなくて殺害。その直後に自らの手で出産したが、その際に、赤ん坊の足をやけどさせてしまった。それが決め手となり逮捕される。
闇サイトでもうけていた男女、男が切り出した別れ話。似た者同士の二人は似た殺害方法、毒殺を互いに仕掛けた。男の毒は速攻死に至り、女の毒は逮捕までに殺せなかった。
盲目のもと大学教授が、自宅で娘婿を殺害。詐欺師で、娘への暴力に我慢できずに犯行したものの、罪に服する気はない。盲目ではできない殺害方法。風間たちは見事暴くことはできるか。