厚木市内にある衆議院議員井上の事務所を訪れた、二人の若者が秘書を虜にして、立てこもる事件が起きた。詳しい事情がわからないまま、時はたち、井上議員が到着して、その説得により逮捕された。
逮捕された二人は完黙を貫き、警察もお手上げ。虜になった秘書も入院したままで面会謝絶。
そのあと、なぜか?物語は三十年あまり昔の群馬県北部の町の町長選挙の話になる。昔から計画だけはあったダム建設の話が復活し、賛成派反対派が対立して、選挙も混乱する。そこに地元出身の大学生、杉原が、反対派の選挙事務所に手伝いにはいる。そんなゴタゴタが描かれ、ついで、今度は十年前の町長選挙の話が語られていく。
正直、ここら辺りで退屈してきて、中断しかけたが。
そして、再び立てこもり犯の話にもどって、その犯人たちの素性や真相か明らかになるラストの話となった。
与党の大物議員の指示により、自殺させられた野党議員事務所員の自殺事件。それを隠蔽した大物議員のやり口を公にするために、遺族たちが結束して起こした事件だった。
しかし、果たして目的は達成できたのかどうか?
大物議員たちは結局無傷のまま生き延びて、これではなんともむなしい結末。
問題定期の物語だと言うことなのかもしれないが、あまり楽しい結末ではないな。