堂場氏の「検証捜査」に始まるシリーズの五冊目らしい。
神奈川県警の不祥事を捜査するために、警察庁が全国の警察から集めた五人の警察官による特別チーム。
そこにいた警視庁刑事神谷、道警刑事保井凛の二人が今回の主人公。かつての特別チームのリーダーを勤めた警察庁刑事局の永井も登場するがキャリアらしき嫌な男として。
函館の公園ないで見つかった遺体。頭部に二発の銃撃を受けるという変わった手口。まるで外国の暴力団の処刑のような手口。臨場して、被害者の名前を聞いた凛は驚く。かつて暴行犯として取り調べた男、平田。被害者が告訴を取り下げたため、中途半端になった。そのときの被害者は実家の函館にいて、何度か凛は会っていた。その女性、珠希は平田が死んだ頃に家を出て行方不明。
捜査の進展もないまま迎えた夏に、東京のホテルの室内で、珠希が同じ手口で殺されて見つかる。
二人は単なる暴行事件の関係者ではないのか?
改めて二人の過去を調べていくと、二人ともに不審な点がみられる。
二人が巻き込まれた事件の背景は何か?
そこには警察庁キャリアの一部署がかかわる秘密の企みがあった。失敗に終わったそれを秘匿するために、捜査に待ったがかかり、凛と神谷は真犯人を逮捕できないまま終わる今回。すきっとはしないが、まあ楽しめた。
シリーズの他の作品も読んでみようか。
第二作から四作は、特別チームのメンバーがもとの職場に戻ってからの事件捜査が描かれたらしい。となると、第一作から始める方がいいのか?