江戸川乱歩賞受賞作。
北海道警察に入った博士号をもつ女性、沢村。警部補となり、本部から所轄に異動し、はじめて実地捜査にかかわることに。そんな彼女に、その素質を認め、先輩として捜査のイロハを教えたベテラン刑事瀧本。
そんな瀧本の異常を感じたのは、逮捕した盗犯の尋問中だった。その被疑者が現場で少女の遺体を見たと証言したときだった。
五年前に起きた誘拐事件。犯人に身代金を渡す際に、駅構内で犯人は列車に引かれ死亡した。誘拐された少女は見つからないまま迷宮入りに。いわゆる、コールドケースになった。
その後、その遺体が誘拐された少女だとわかったものの、犯人はみつからないまま、またも迷宮入り。マスコミに、犯人を死なせてしまった警官を非難する記事が出て、今は交番勤務だった当の警官が拳銃自殺。
その後、捜査資料の一部がマスコミに流れ、記事になったことで、上層部はひそかに、リークした犯人探しを始める。
今は別の署に異動していた沢村までも取り調べを受ける。犯人が見つからなければ、バックが居ない警官を犯人に仕立てるかもしれないと聞いた沢村は、退職も考える。しかし、どうせなら途中で止められた捜査を続けて、事件解決に向かおうと決意する沢村。
当時の目撃者の聞き込みから始めた彼女は、事件の新たな見方を発見し、ついには真犯人にたどり着き、それに自供させて解決するまでを描いている。
前半は少しつまらない気もしたが、後半になり、十分楽しめた。