遠州の山奥にある小さな集落、峰生の名家遠藤家に嫁いだ三代の女性たちを描いた物語。

その敷地に建つ邸宅は常夏荘と呼ばれ、周囲には知られる存在だった。

代々の当主は性的に異常なところがあり、それで悲しいことに堪え忍んで生きてきた。

家紋のなでしこの別名である常夏とよばれたのは、邸宅だけでなく、一族が営む会社や保養施設がある敷地全体もこの名で呼ばれた。不動産業や林業、米相場などで裕福な一族は、昭和になって拠点を東京にうつし、一部の別家だけがのこったが、じり貧状態だったが、平成に入り、二代目の嫁となり、おあんさんと呼ばれる耀子が知り合いと立ち上げたお菓子と惣菜の会社のお陰で、最近は活気を帯びていた。

耀子は少女の頃にわけあって、遠藤家に奉公する祖父のもとに身を寄せ、幸せな時代を過ごした。そのときの幼なじみが立海。しかし、彼は本家の祖父の弟にあたる、年下の少年だった。祖父が老年になって迎えた若い嫁が生んだ次男坊。

耀子も若くして、本家の息子に見初められて、玉の輿に乗ったものの、娘の瀬里ができたあとに、離婚を言い出された。彼には若い頃知り合い、恋仲になった同性の外国人が居た。病勝ちで先が長くないとおもい、彼のもとに行きたいと。

娘が成人するまでというかたちで、別居を認めた耀子。夫は本家のすべてを、立海に引き渡し、出ていき、渡米。そこて新たな事業をして居るらしい。

娘の瀬里が浪人中なのに、塾にもいかず、バイトばかりしていると聞いた耀子は心配で、電話してみるがなしのつぶて。同じ頃に耀子たちが始めた事業が盛況なのをねたんだか、嫌がらせ事件が起こる。どうやら別家の一族が後ろに居る様子。

夫に去られ、娘にも疎んじられ、困惑する耀子。心の奥に今も残る、ある人が居た。

そんな耀子が幸せを迎えるまでをえがいた話。何て言ってしまっていいのかどうか。

すこし、あまりにも境遇が違いすぎて、素直に同感できないかな。