事件の舞台が私がすむ岐阜県の郡上だと知り、読んでみたくなった作品だが、なかなかよかった。
冤罪被害者支援のために、アメリカの制度を真似て作られた弁護士や各界の学者らにより結成された団体チーム・ゼロ。彼らのもとに、死刑囚宮原から、私は無罪だという手紙が届く。平成八年八月に郡上躍り最中の米穀店で、一家四人が殺されてるのが見つかる。手提げ金庫が奪われ、近くの川の橋の下で見つかる。
現場に残された凶器の台所の包丁の柄にあった指紋が、前科のある宮原のものと一致したため逮捕された。躍りながら酔って寝てしまった宮原には記憶がなかった。指紋が決め手になり、ついに死刑宣告された。
いくら冤罪かもしれないとはいえ、真犯人の当てもなく、証拠もないことから、チームは扱うのを渋るものの、チーム代表の弁護士東山が、自身の進退をかけても無罪だと主張して、ともかく扱うことになる。
しかし、どうやって無罪を勝ち取るのか?
自供供述書に不審があると指摘した東山。他にもなにかを知っているようだが、明かさない。のちに、少女時代に偶然犯人を見かけたことがあって、宮原が犯人ではないとわかっていたらしい。ただ、無実を実証しないと、再審もされない。やがて、彼女の記憶にある特徴をもつ真犯人が浮かび上がるも、事件直後に事故死していた。
東山が隠し持っていた秘密兵器は、現代の科学捜査では常識である指紋鑑定に間違いがあったというものだった。そんなことがありえるのか?
当時の鑑定官の一人にそのおそれがあるときき、再審にもちこむが、誰かの妨害により、証言を覆されて失敗。
さらには東山までもが殺されてしまう。チームが再審不可能として拒否したあとに自殺した遺族に恨まれての殺害で、誰かが東山を陥れたらしい。
東山の死を乗り越えて、チームは捜査を続け、ついに凶器の指紋の際鑑定に持ち込み、宮原よりも一致する別の指紋があることを立証し、再審を勝ち取る。