山本さんには、「ひなた弁当」とか「ひなた商店街」など、ひなたシリーズと言える作品があり、これもそれに繋がる。夢やぷれた中年男が違った土地で、年下の女性と新たな生き方を見いだす、そんな感じの作品たち。

今回の舞台は佐賀県の田舎にある民宿ひなた。祖父が始めた民宿を両親が経営していたが、趣味の釣り好きが高じて、プロの釣りライターになろうと家を出た主人公、古場粘児。一時はそこそこ有名にもなったが、連載していた釣り雑誌二者が共に廃刊となり、仕事を失った。アラフォーだし、恋人になったシングルマザーと一緒になることも考えて、実家の民宿を引き継ごうと考え、帰郷。しかし、民宿は客足が減り、あとを次がせるまでもないといわれてしまう。

しかたなく、あれこれ仕事を探すが見つからない。おりしも板前だった父親がしばらく入院することになり、調理士免許をもつ彼が代わりを勤めることに。

同じ頃、恋人も腰を痛め、入院。中学生の娘が民宿に行ってみたいと言い出し、預かることに。いじめが原因で不登校だった娘、希美。それまでは気まずい関係だったが。

釣りに興味を覚え、民宿に出入りするどら猫が気に入った希美。彼女は古場にとっては救いの女神となる。二人でとった釣りの獲物を民宿の食材にすることで、新たな道が開けていく。ブログを作り、宣伝もして、民宿は評判となり、新たな出会いやチャンスが生まれ、民宿復活の起爆剤となっていく。

なかなか面白かったが、正直なところ、釣りにあまり興味がないから、釣りのあれこれの部分は少し退屈だった。