女刑事姫川シリーズの最新作。
警視庁捜査一課の刑事姫川玲子。現在、殺人班十一係で主任を勤める。このたび、十一係に新たに異動してきた四人の刑事たち。そのなかには、別のシリーズの主人公で、本庁勤務を勧められながら、かたくなに所轄刑事でいる固執していた女性刑事、魚住も含まれていた。
そんなメンバーが今回挑む犯罪は、空き家で見つかった撲殺事件。朝に読み終えた中山さんの事件に似た犯罪。
空き家の一室は、監禁部屋にするために内装工事が施されていて、その部屋との境付近に遺体があった。こちらも近所の住人の異臭通報から、遺体が発見された。
証拠らしい物もなく、被害者のみもともわからず、最初は捜査は難航する。
そんなときに姫川の閃きからの捜査により、端緒が見えてくる。割り当てられた被害者の衣類の調査をしていた姫川は、衣類に指紋はないかと鑑識にだめ押ししたことから、バンドに指紋が見つかる。さらにその指紋が近所で起きた交通事故の被害者とわかる。意識が戻らぬままで身元不明の患者。ナースの最初に見た時に臭かったという言葉から、この男こそが監禁されていて、逃げ出した直後に交通事故にあったのではと。
頭に巻かれた包帯の交換時に立ち会いを許された姫川は、患者を思い出す。有名人だった。一流新聞社の創業家一族で、役員。葛城。折しも週刊紙では、葛城家のお家騒動。ネット会社の社長、浦賀が新聞社を買収しようとしていて、会長の孫娘とも恋仲と。長年後継者と言われてきた葛城にとっては、ライバルの出現。その両者の争いに端を発する事件かと思われたが。
捜査を進めていくと、意外な過去の事件が浮かび上がってきた。
なかなか興味深い。魚住を気にかける姫川。どうやら恋に落ちた姫川。