全国を旅して回る昆虫好きな心優しい青年、えり沢泉。彼が出くわした事件の真相を鮮やかに解き明かす様を描いた「セミかえる」「サーチライトと誘賀灯」に続く第三作。

信州ではへぼと呼ばれるクロスズメバチを捕獲する名人に弟子入りした泉は、ハンターが狩りをする山で起きた不幸な銃撃事件の真相を見抜く。

知り合いの墓参りに出掛け、雨宿りにはいった花屋でもてなされた泉は、一年前に訪れた少女が欲しがった季節外れの花の意味を解き明かす。

海外でピアニストをしてなくなった。実の父親の遺品から一枚だけ紛失した楽譜の謎を解き明かし、ピアニストになった遺児に父の曲を教えてやる。

北海道で埋蔵文化財の整理の手伝いをしていた泉は、発見された白骨の謎を解き明かす。

不幸な猟銃発砲事件のその後。名人の葬儀に出掛けた泉は、棺桶に入れられた木彫りの仏像の謎を解き明かす。

花屋での出会いから一年後再び訪れた泉は店主が娘に変わっていたため、前の店主はなくなったかと勘違いしたが、実は。