珈琲屋シリーズ第五作。
東京の総武線沿いにある商店街にある珈琲屋。かつて地上げの乱暴により、女子高生が自殺した。それを自慢する首謀格の男に暴力を加えて、殺したことにより、逮捕され服役した行介の店。地上げから商店街を守ってくれたと、彼を非難する人はいない。
人を殺したことを気にして、人並みの幸せを拒否する行介は、かつての恋人冬子が、嫁ぎ先から強引に離婚してまで、出戻ってきたのに、よりを戻すことを拒否し、いまだに彼らは友人のまま。
人を殺したことがある、そんな行介に引き付けられる訳ありの人々が、商店街に、珈琲屋にやってくる。
そんな人々のさまざまな事情を描いていくシリーズ。
商店街に新たにできたおでんや、女将の理央子が美人で評判となるが。なぜか、心の奥に秘めたものがある様子。
行介の刑務所仲間だった順平が、同じ町内にやってきて、珈琲屋の常連となる。その順平が理央子に一目惚れするが、実は彼女の狙いは順平だった。
その事情とは?