水墨画家の著者のデビュー作「線は、僕を描く」の続編。

両親を交通事故でなくし、意気消沈していた青山霜介は、水墨画家の篠田湖山の絵に魅了され、最後の弟子となることで、新たな道を歩みだした。公募展で、最年少受賞を果たしたものの、その後、また迷っていた。

大学三年になり、就活に迷っていた。水墨画家になるか、その他に向かうか?

湖山会によるきごう会で、トップを命じられた彼は失敗し、非難され、落ち込んでしまう。

そんな彼に先輩の西濱さんから助けを求められる。小学生に水墨画を紹介しに行っていた先輩は体調をこわし、青山

に助っ人を求めてきた。

行ってみると、亡き母が勤めていた小学校で、母が担任だったのと同じ学年、一年生への授業だった。

こどもたちの奔放だが、純真な好奇心をみた彼は、何か、彼が見失っていたものに気づく。

師からしばらく休めと言われながらも、筆をおらなかった青山は、展覧会で事故にあい、右手の感覚を失う。もう筆を執れないかとあきらめかけたいた彼に、師は、山にある別荘にいかせる。小さな湖がある、そこは師の雅号の由来の地だった。

そこには行方しれずだった、天才と呼ばれた先輩も管理人として暮らしていた。彼も師のすすめで、見失ったものを得るために、そこにいた。辺りの風景と先輩の助言で回復する青山。

その結果、師の引退式で、弟子たちはみな見事なきごうをひろうでき、青山は復活するも、進路を小学校教師に決める。